テニスの4大大会第2戦で、赤土最高峰の舞台、全仏オープン(パリ)が22日、開幕する。新型コロナウイルスの感染拡大により、入場制限や時期変更、賞金など、これまで大会は大きな影響を受けてきた。中止だけは避けたが、今年は19年大会以来、コロナの影響を受けない通常大会に戻った。

日本は、4大大会4度の優勝を誇る世界38位の大坂なおみ(24=フリー)が上位進出を狙う。昨年の全仏では、大会前に自身のSNSで会見拒否を宣言。「選手のメンタルがないがしろにされている」と問題提起し、2回戦で棄権した。しかし、今年は、苦手の赤土克服に意欲を見せ、4月にスペインで赤土合宿を敢行。克服に意欲を見せた。

今季自身初の赤土大会となった5月のマドリードオープンでは、粘りと攻撃の歯車がかみ合い、赤土への対応力を見せていた。しかし、得意のハードコートと赤土は、使う体の部分も違う。左アキレス腱(けん)を痛め2回戦で敗退した。

全仏前の赤土の試合経験は結局、けがの治療を優先したため2試合だけ。それでも「全仏をスキップするなんて、考えられない」と、欠場は全く予定していなかった。「テニスができる年数は限られている。その中でベストを尽くしたい」と話した。

男子は、エースの錦織圭(32=フリー)が左股関節の故障のため、長期離脱中。2番手で世界94位の西岡良仁(26)は1回戦で世界王者ジョコビッチ(セルビア)と対戦する運がないドローとなった。

優勝争いは、男子ではジョコビッチ、ナダルの二枚看板に、今季最も注目が集まる19歳、カルロス・アルカラス(スペイン)が挑む形だ。アルカラスは、今季、マイアミとマドリードで、4大大会に次ぐマスターズ大会2勝。今季だけでツアー4勝で、最新では世界6位にまで上昇してきた。

女子では、今年5月に初めて世界1位となり、20年優勝のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が、2年ぶりの優勝最有力だ。2月のカタールオープンから5大会連続優勝で、現在、25連勝中。安定的な強さを誇るシフィオンテクを誰が止めるかに注目が集まる。

◆全仏オープンテニスは、5月22日から6月5日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドとテニスワールドでライブ配信される。