仙台89ERSが意地を見せ、ファイティングイーグルス名古屋に69-64で競り勝った。ジャスティン・バーレル(34)が26得点12リバウンドで2戦連続ダブルダブルを達成。先発出場した荒尾岳(35)は、ゴール下で相手の外国籍選手を執拗(しつよう)にマークし難しいシュートを打たせるなど、堅守と勝利に一役買った。ベテランが攻守の要を担い、今日22日に行われる第3戦に「B2優勝」の望みをつないだ。

「仙台らしさ」でつかんだ勝利だ。第1戦は前半で54失点と「仙台89ERSのバスケット」を遂行できなかったが、この日は第1クオーター(Q)から40分間、強度の高いディフェンスを続けた。前半を36-34と上回り、第4Qでは名古屋を13得点。各Qを20点未満に抑え、名古屋を今季最少の64得点に封じた。藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=36)は「本当に選手たちが40分、仙台らしく泥臭く頑張った結果だと思います」と選手たちをたたえた。

昨年11月の第9節以来の先発出場となった荒尾は、「簡単な得点だけはやらせないようにしようと思って入りました」。荒尾を軸に、第1戦で51得点を許した外国籍選手をこの日は32得点に抑え込んだ。「香川戦が終わってから、決勝に向けてコンディションを自分なりに上げてきた。今日もしっかりプレーできるように、昨日久保(孝史)トレーナーにメニューをもらって準備していました」と荒尾。準備を怠らず、見事先発起用に応えた。

準々決勝、準決勝に続いて決勝も第3戦までもつれ込み、16日で9試合を戦う過密スケジュールとなった。だがバーレルは「これが仙台スタイルです」。第3戦の勝率は100%だ。バーレルは「自分たちはいいチームだと思っていますし、しっかり89ERSのバスケットをすればトップに立てるという自信も持っています」。今季最後の戦いも、貫いてきた「仙台89ERSのバスケット」を完遂する。

「B2優勝、B1昇格」の完全達成まであと1勝だ。藤田HCは第3戦に向け、「最高の仲間と最高の形でシーズンを終われるように、もう1回仙台のバスケットをできれば」と力を込めた。負け知らずの第3戦で「B2優勝」を決めてみせる。【濱本神威】