フェラーリのカルロス・サインツがポールトゥウインで初優勝を飾った。F1参戦150戦目で初ポールに続き初優勝を手にした。

スタートでソフトタイヤを履いたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が好加速で前に出たものの、直後に後続で多重事故が発生してレースは赤旗中断。幸いにもけが人はなく53分間の中断を挟んでレースは最初のグリッド通りで再開となり、ここではフェルスタッペンの猛攻をしのいでサインツがリード。

フェルスタッペンがマシンにダメージを負って後退すると、フェラーリのシャルル・ルクレールがサインツを上回るペースで背後に迫り、チームは3位ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)との攻防を考慮してサインツに順位の入れ換えを指示。そのままルクレールが優勝するかと思われたが、レース終盤に停止車両が出てセーフティーカー出動。ここでタイヤ交換をできなかったルクレールに対し、ソフトタイヤに履き替えたサインツがリスタート直後に優位に立って再逆転し、念願の初優勝をつかみ取った。2位には同じくソフトタイヤで最後にポジションを上げたセルジオ・ペレス(レッドブル)、3位にハミルトンが入り、ルクレールは4位に終わった。

「何と言えばいいのか分からないよ、最高の気分だ。150戦目で初優勝、それもフェラーリで、シルバーストンでだ。ルイス(・ハミルトン)が攻めてきていたのも分かっていたけど、なんとか持ちこたえることができた。第1スティントはマシンバランスに苦しんでかなり厳しかったんだ。でも突然セーフティーカーが僕にチャンスをくれた。そしてそれをつかみ取ることができたんだ。チームのみんなに感謝しているよ」

角田裕毅は2回目のスタート直後はソフトタイヤで8位を走行していたものの、チームメートのピエール・ガスリートの攻防の中で行き場を失ってスピンを喫し、接触して後退。マシンにダメージを負い、浮上のきっかけがつかめないまま14位でレースを終えた。

(米家峰起通信員)