19年ジュニアグランプリ(GP)ファイナル王者の佐藤駿(18=明大)が参加した。

2月の北京オリンピック(五輪)男子フリーが行われた2月10日、日本で脱臼癖のあった左肩を手術。長期戦線離脱とリハビリをへて6月から段階的に復帰する計画で、恒例の夏合宿に間に合った。

ただ、ここまで代名詞の4回転ジャンプには取り組んでこなかったという。術後の経過と展望を語った。

「まだ4回転が、はまっていないので。この合宿を機に4回転を降りたい」

言葉通り、仲間と競い合う4日間の合宿3日目で状態が上向いた。4回転トーループを何度も着氷。もちろん失敗こそあったが、その際、曲かけを一からやり直すなど執念で成功させていた。上々の復調ぶりに、復帰を歓迎する関係者から拍手を浴びていた。

昨季のGPシリーズで4回転ルッツと4回転フリップを日本で初めて両立させた男は、焦らず言った。

「あとは今季のどこかでサルコーも入れられれば。今のところ去年と同じ4本(ルッツ、フリップ、トーループ2本)の予定です。まずは4本でまとめることができたらなと思います」

今季のプログラムについては、ショートプログラム(SP)が「キャロル・オブ・ザ・ベルズ」。本人は「忘れちゃった…何だっけ」と笑いながら「バイオリンの曲です。同じようなテンポが続くので、見てくださるお客さんが飽きないようなプログラムにしたい」と思い描いた。

フリーは「レッド・バイオリン」。昨季の「オペラ座の怪人」に続くクラシック挑戦になる、と本人は話す。

「引き続き、今季もクラシックに挑戦しようかなと思って曲を決めました。まだフリーは未完成。詰め切れてないので、ここを見てほしいとかはまだないんですけど、去年とは違ったクラシックのイメージをつくれたら」と紹介した。振り付けは昨季と同様、宮本賢二氏に依頼したという。

最後に今季の目標を聞かれると「シーズン通して、けがなく終わりたい。全日本選手権で表彰台に上がることを目標に頑張りたい」と調子を上げ、年末に勝負するプランを掲げた。【木下淳】