ノルディックスキーのサマージャンプ山形蔵王大会が20日、アリオンテック蔵王シャンツェで行われ、高梨沙羅(25=クラレ)が今季夏の初戦に臨み、合計190.7点で2位だった。一時入場制限され、2100人が集まる盛況な中、1回目は飛び出しのタイミングが合わず91.5メートル。2回目は95メートルのK点ジャンプを披露した。

歓声や拍手を浴びながら北京五輪後の新シーズンのスタートを切った。12年3月、W杯で初優勝を挙げた地で「いいジャンプが飛べなかったのが本当に申し訳ない気持ちだけど、飛んでる自分としてはすごく幸せな気持ちにさせてもらえた」と晴れやかな表情だった。

今季からスキー板の形状に関するルールが追加された。昨季まで使用していた先端が平らな板は使用できなくなり、規定で決められたカーブの入った板に変わった。「感覚が違う。違和感はある」。この日の試合中でも2種類試して、冬本番に向けた調整を続ける。

北京五輪後に苦しみ、悩んで決めた現役続行の表明後、日本中からの応援を力に変えている。「今まで以上のジャンプを。この4年間また組み立て直したい」。期待を背負い、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪への挑戦を続ける。【保坂果那】

○…北京五輪金メダリストの小林陵侑(土屋ホーム)が貫禄の逆転勝ちした。1回目98メートルで2位につけ、2回目はジャンプ台記録となる108.5メートルのビッグジャンプで頂点に立った。これまでは高梨が16年1月に記録した106メートルが最長だった。「日本でこんなにたくさんのお客さんの前で飛んで、すごく楽しめた」と笑顔だった。

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