バレーボール男子の日本代表がブラジルと対戦。ブラジルから29年ぶりの勝利を目指した日本だが、東京五輪、今年7月のネーションズリーグに続き、三たびストレート負け。パワー、スピード、高さともに完敗だった。


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日本21-25
18-25
16-25
ブラジル

第3セット

後がない日本は、序盤に息を吹き返した。

西田が最初の得点を決める。

さらに、関田の絶妙なワンハンドトスから再び西田が決めた。

西田のサービスエースで3-1。

18年世界選手権も経験している小野寺の得点で5-2とリードする。

しかし石川のサーブがネットに阻まれ、西田のスパイクもコースを読まれて5-5の同点に追いつかれた。

高橋藍のスパイクがアウトで5-6。西田のスパイクはブロックアウトで6-6。

石川のスパイクがアウトになり7-9とされると、場内から日本コールが起こった。

日本はサーブで崩そうとするが山内、西田のサーブはアウト。

世界最高アタッカーでもあるブラジルのリカルドソウザの強烈スパイクが決まり9-14と差を広げられた。

宮浦の緩急をつけた攻撃で10ー14。

ブラジルの強さ、高さには歯が立たなくなり、どうにか日本はつなぎと細かい技術で打開しようと試みる。

石川が左ライン際ぎりぎりに落として11-15。

ただ、ブラジルはレアルが奥を狙い、ディフェンスでも完全に日本を分析していた。

13-20となり、じょじょに点差が開く。

ついに15-24とされる。

最後は強烈なスパイクをたたき込まれて16-25。

東京五輪、今年7月のネーションズリーグに続き、三たびストレート負け。

ブラジルから29年ぶりの勝利を目指した日本だが、ネーションズリーグの対戦よりも、力の差は歴然。

パワー、スピード、高さともに完敗だった。

日本は1勝1敗。

ブラジルは2連勝となった。

左から高梨健太、小野寺太志、石川祐希、西田有志(2022年7月8日撮影)
左から高梨健太、小野寺太志、石川祐希、西田有志(2022年7月8日撮影)

第2セット

第1セットの終盤に逆転を許した日本。流れはブラジルに傾いた。

0-2、2-4となる。

高橋藍がブロックをかいくぐりながら決めて4-6。

高さと強さを生かしたブラジルが勢いに乗る。リカルドソウザに決められて6-10。

じょじょにリードを広げられる。ついに8-14と6点差。

西田のスパイクはブロックアウトで9-14。

石川のスパイクも3枚ブロックの壁がアウトとなり10ー15。

山内のブロック、大宅が身を投げ出して連続してボールを拾うなど日本は意地を見せる。それでもブラジルの勢いは止まらない。

高橋藍が14点目、石川のブロックで15点目、再び石川が押し込んで16点目と食らいつく。高橋藍のスパイクがブロックされ、16-23と7点差。

日本はサーブで崩され、ブロックで止められるという悪循環にはまった。

ブラジルのブロックは高く、2枚、3枚と襲いかかってくる。

石川も冷静な判断でブロックをかいくぐろうとするが、落としたボールはアウトとなり16-24とセットポイントを許した。

最後は西田のサーブがアウトとなり、18-25。

日本は第2セットも落としてしまった。

第1セットの後半から、日本は苦しい戦いにはまった。


第1セット

歴史的勝利へ、日本は西田のサービスエースから始まった。

ブラジルのスパイクがアウト。再び西田がサービスエースを決まって3-0とリードする。

西田はバックアタックを決めるなど、序盤は日本が5-2と優位に進めた。

高橋藍のスパイク、司令塔・関田のサービスエースもあり7-5となる。

ジワリと追うブラジル。8-8の同点に追いつかれると、高橋藍のカバーから西田が決めて9-8。

日本はリードしながらも、白熱した攻防が繰り広げられた。

小野寺の左手のブロックで11-9。

高橋藍のブロックで15-12となった時点で、ブラジルがタイムアウトを選択する。

山内のスパイクが決まって17点目。

大塚のスパイクがぎりぎり決まって18-16。

ここからブラジルはルーカス、レアルらが本領を発揮した。

日本は18-19と勝ち越しを許したところで、エースの石川がコートに入る。

石川は最初のプレーで得点し19-19。

西田のサーブがアウトになり19-20。

ブラジルはレアルの得点で20-22とする。

ラリーが続き、最後はブラジルが決めて20-23。

ブラジルがセットポイントを迎える。

リードを続けていた日本だが、最後に逆転され21-25で第1セットを失った。

石川祐希(22年7月)
石川祐希(22年7月)

日本スタメン

セッター 8関田誠大

オポジット 1西田有志

アウトサイドヒッター 5大塚達宣

アウトサイドヒッター 12高橋藍

ミドルブロッカー 2小野寺太志

ミドルブロッカー 6山内晶大

リベロ 20山本智大


試合前

日本は初戦のカタール戦を3-0のストレートで勝利。

公式戦では1993年7月4日のワールドリーグ・予選リーグで3-2で勝って以来、29年ぶりにブラジルからの勝利を目指す。

ともに2連勝がかかっており、日本はブラジルにストレートか、セットカウント3-1で勝利すれば、1次リーグ突破が決まる。

日本のメンバー14人中9人が昨夏の東京五輪のベスト8メンバー。


【男子日本代表登録メンバー】

〈オポジット〉

1 西田有志(22=ジェイテクトSTINGS、187センチ)

16 宮浦健人(23=スタル・ニサ、190センチ)

〈ミドルブロッカー〉

2 小野寺太志(26=JTサンダーズ広島、2メートル)

6 山内晶大(28=パナソニックパンサーズ、204センチ)

23 佐藤駿一郎(22=東海大4年、205センチ)

26 村山豪(24=ジェイテクトSTINGS、192センチ)

〈アウトサイドヒッター〉

5 大塚達宣(21=早大4年、194センチ)

7 高梨健太(25=ウルフドッグス名古屋、190センチ)

12 高橋藍(20=日体大3年、188センチ)

14 石川祐希(26=パワーバレー・ミラノ、192センチ)

〈セッター〉

8 関田誠大(28=ジェイテクトSTINGS、175センチ)

9 大宅真樹(27=サントリーサンバーズ、178センチ)

〈リベロ〉

13 小川智大(26=ウルフドッグス名古屋、176センチ)

20 山本智大(27=堺ブレイザーズ、171センチ)

(※背番号、名前、年齢、所属、身長)

フィリップ・ブラン監督

【イラスト】男子バレー世界選手権代表メンバー
【イラスト】男子バレー世界選手権代表メンバー

28日時点順位・今後の日程

B組は首位ブラジル、2位キューバ、3位日本、4位カタール。

日本は30日の1次リーグ最終戦で突破をかけ、キューバと直接対決する。

(※6組のうち各組上位2カ国と3位の上位4カ国の計16カ国が決勝トーナメント進出)


日本の1次リーグB組日程

☆26日 日本3-0カタール 

(25-20、25-18、25-15)

☆28日 日本-ブラジル

☆30日 日本-キューバ

(※全て日本時間午後9時開始、動画配信サービス「Paravi」で生中継)

◆世界選手権 オリンピック(五輪)、ワールドカップ(W杯)とともにバレーボール3大大会の1つで4年に1度開催される。今大会はスロベニアとポーランドが共催。24カ国が6組に分かれて1次リーグを戦い、各組上位2チームと3位の中から成績上位4カ国の計16カ国が決勝トーナメントに進出。決勝は9月11日。競技方式はテクニカルタイムアウトなし、リクエストできるタイムアウトは1セット2回まで。日本男子の最高成績は70、74年の3位で82年は4位。98、06年は日本開催。前回大会(18年)はポーランドが大会2連覇を達成し、ブラジルが2大会連続で2位になった。