【ニューヨーク29日(日本時間30日)=吉松忠弘】テニスの4大大会今季最終戦、全米オープンがニューヨークで開幕。世界55位の西岡良仁(26=ミキハウス)が1回戦で敗れた。同39位のアレハンドロ・ダビドビチフォキナ(23=スペイン)に3-6、5-7、3-6のストレート負けを喫した。「相性が良くなかった。自分の展開がはまらなかった」。

フォアで球に順回転をかけ、深く山なりの軌道で押し込み、相手の短くなった返球を展開するが、西岡の戦略だ。西岡は左利きで、フォアをクロスに打つと、右利きの相手はバックで返球する。肩口から上の部分でバックで返球するのは力が入りにくく、西岡はそこを狙う。

しかし、この日の相手は「バックであれほど打ち込まれるとは思わなかった」と西岡が言うように、スタートから西岡の展開を封じた。初めての対戦だっただけに、戸惑い焦った。そのイライラが、第2セットと試合終了後の2回、感情を爆発させた。2本のラケットをたたき折った。

ただ、「(戦略が)はまる相手とはまらない相手がいる。今日の相手は相性が悪かった」と、それほど敗戦のショックは引きずらない。7日に閉幕した米ワシントンDCのツアー大会で、2年ぶりの決勝に進出。その感覚は残したままだ。

「今日は1回戦で敗れたが、いい北米シリーズだったことは間違いない」。自己最高の世界ランキング48位をまずは更新し、少しでも上位に迫ることが、まずは今年後半の目標だ。

◆全米オープンテニスは、8月29日から9月12日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドとテニスワールドでも全コートでライブ配信される。