男性部員4人が準強制性交の疑いで京都府警に逮捕された同志社大のアメリカンフットボール部は9日、同部の無期限活動停止と、関西学生リーグ1部の出場辞退を発表した。逮捕されたのは片井裕貴容疑者、山田悠護容疑者、浜田健容疑者、牧野稜容疑者の4人でいずれも4年生。山田容疑者は副将を務めていた。

ヘッドコーチに元日大監督で20年に甲子園ボウルへ導いた橋詰功氏(59)を迎え、古豪復活を期し、新体制で開幕を迎えたばかりだった。

同大は07年にもラグビー部がわいせつ目的略取未遂事件を起こしている。

【記者の目】

同大は部員が起こした事件を受け、アメフト部の無期限活動停止とすでに開幕している今季リーグ戦の出場辞退を発表した。この件にかかわっていない、ほとんどの部員の心情を思えば言葉はない。ただ、一部の部員が起こしてしまったことの大きさを鑑みれば避けられない処分といえる。

アメフトの関西学生リーグは今季、コロナ禍による「冬の時代」を乗り越え、3年ぶりに通常のリーグ戦が再開し、今月1日に開幕した。コロナ禍前の19年度に入学した選手が最終学年を迎えている。我慢して耐えて、酷暑の中で練習を積み重ねてきた。そして、ようやく迎えた最後の舞台を失ってしまう。「残念」の言葉で片付けられない。

今回、逮捕された4人はいずれも20歳を超えた“大人”だった。指導者の比重が大きい高校スポーツまでに比べ、大学スポーツは選手個々の責任、自覚で成り立っていると考える。

分別を持って、なぜ犯罪行為にブレーキがかからなかったのか。ここであらためて責めるまでもないが、そのおろかな行為で、多くの仲間の人生を狂わせる。被害女性はもちろん、多数の被害者を生み出した。その事実は重い。大学生は子どもではない。【スポーツ担当=実藤健一】

◆同志社大アメリカンフットボール部 1940年創部。関西学生リーグ戦には第1回大会から出場し、優勝2回(46、79年)、準優勝8回。大学日本一を決める「甲子園ボウル」には47年に1度出場し慶大に0-45で敗れた。部員数121人、チーム名は「ワイルドローバー」。