18年グランプリ(GP)スケートカナダ2位の山下真瑚(19=中京大)が手応えをつかんだ。57・24点を記録し、5位発進。充実した表情で「去年よりも体の動きが良くなっていると思う。スピードも落ちずにいけました」とほほえんだ。

迷いを吹き飛ばすスピードで攻めた。冒頭の3回転ルッツ。最近「おじけづいて失敗することが多い」と自己分析する得点源に対し、勢いをつけて向かった。着氷後、結果的には連続ジャンプの後半となる2回転トーループが乱れた。生みの苦しみだった。

「ルッツが大きすぎて、その後をダブル(2回転)にしようか、トリプル(3回転)にしようか、つけないでおこう(単発)か迷って、中途半端なトーループになった。ああなっても次にどうするかを、すぐに判断できるようにしないといけないと思いました」

試合になると「跳ばなきゃ」と意識し、自然とスピードが落ちていたジャンプ。挑戦することで、次の課題が見えてきた。

「跳ぶまでは良かったけれど、(ルッツが)大きくなりすぎるのは調整できるようにしないといけない。今日は“高さのルッツ”をしちゃった。幅で跳べば跳べていたと思います。練習したら跳び分けられる。そこを判断する頭の回転が必要かな? って思います」

今大会は12月の全日本選手権へとつながり、25日にはフリーを控える。今季の目標を問われて「楽しく、怖がらずに『もう1度見たい』と思ってもらえるようなプログラムを滑りたい」と言い切った。【松本航】