1年目からチームの軸を担う。今春、筑波大から加入したWリーグのアランマーレ秋田・嘉数唯(23)が、9月上旬のオータムカップ2試合に出場。ブロック準決勝・ENEOS戦ではチーム最多14得点をマークした。10月開幕のリーグ戦を前に貴重な経験を積むとともに、名門でプレーする同期から刺激を受けた。アランマーレ秋田は10月22、23日、秋田・横手市雄物川体育館で山梨と激突。ホーム開幕戦からプレーで勝利に貢献し、飛躍のシーズンにする。

コートに入れば、全力を尽くすだけだ。嘉数はルーキーイヤーの目標を聞かれ「年齢に関係なく、新人選手でも、自分の役割をコートで体現することを目標にやっていきたい」と力を込めた。チーム最多得点のENEOS戦は190センチのニアン・ンディ・クンバ(23)ら4選手が不在だったが、自身の身長174センチよりも高い相手と競り合い、結果を残した。

手応えを感じた瞬間があった。第2クオーター中盤。相手にシュートを打たれたが、ボックスアウトで180センチの相手のインサイド進入を阻み、ポイントガード平松飛鳥(28)がリバウンドを獲得した。「高さのミスマッチは分かっていたので、自分たちセンター陣が(相手を)一生懸命抑える。フォワードやガード陣も飛び込んで、チームでリバウンドを取ることを意識した」。試合は62-80で敗れたが、小嶋裕二三ヘッドコーチ(55)は「チームのルールを徹底できれば、上位相手にも通用するところがあると選手は分かってくれたと思う」とうなずいた。

コート上では不思議な感覚もあった。ENEOSには筑波大の同期で福島出身の佐藤由佳(23)が在籍。嘉数は「同じコートに立てたことはうれしかった。違うチームで高いレベルで頑張っているので、自分も負けてはいられない」。リーグ戦本番での対決は11月5、6日、秋田で実現する。「ホームゲームなのでもっともっと頑張りたい」と気を引き締めた。

チームはWリーグ参戦2年目となり、大卒新人5選手が加わった。指揮官は「若い選手がチームの中軸になりそう。若いからといってプレーの波は受け入れられない。ある程度、安定したプレーをしてほしい」と期待した。身長180センチ超えはクンバのみと空中戦は不利だが、チーム一体で戦うバスケットの中心で、ルーキーが奮闘する。【相沢孔志】

◆ENEOS・佐藤由佳(23=筑波大で同期の嘉数と対戦)「今までずっと一緒にやってきた仲間と敵同士でやることに不思議な感覚がありましたが、楽しかったです。嘉数はアランマーレの中心で点を取っていたので、もっと自分も頑張らなきゃと思いました」