東京パラリンピック男子シングルス金メダルの王者、国枝慎吾(38=ユニクロ)と、日本男子の次世代を担う若き天才、16歳で世界5位の小田凱人(東海理化)が、テニスの聖地、有明コロシアムで激突する。国枝が同6位の三木拓也(33)に6-2、6-3で勝ち、小田は日本ジュニア代表の高野頌吾(19)に6-0、6-0の完封。両者が8日に予定されている決勝で対戦する。

過去10戦して国枝が全勝。それでも、2度、セットを奪ったことがある三木は、日本男子で国枝に肉薄している1人だ。その三木でも、この日の国枝には通用しない。「どんな相手でも、負けるかもしれないと思ってやっている」。国枝は慎重に言葉を選ぶが、それは「もし勝てると思ったら、そうでない時に焦ってしまう」からだという。

一方の小田は、1回戦と違って完封劇での勝ち上がりで「今日は余裕を持ってプレーできた」と、絶好調で国枝に挑む。過去、国枝に3回挑戦したが、1セットも奪えていない。しかし、小田は「テニスのレベルが上がっていると自信を持って言える」と胸を張る。

舞台は、東京パラリンピック決勝と同じ日本の「聖地」有明コロシアムだ。「このチャンスをものにしたい。決勝を戦うことを想定して準備してきた」。国枝対小田。日本が世界に誇る車いすテニスの両雄が、決着をつける時がやってきた。【吉松忠弘】

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