スーパーラグビーのメルボルン・レベルズ(オーストラリア)は、入念な対策を練った上で花園近鉄ライナーズに快勝した。

フッカーのサム・タラカイ主将が、会見で漏らした言葉には、通訳さえも目を丸くした。

「Nuts in the zips!」

直訳すれば「ジッパーにキン●マをはさむ」。

ようは「不意打ちを食らわないように」ということらしい。

ケビン・フットHC(ヘッドコーチ)は「(スーパーラグビーに参戦した)サンウルブズとの対戦で、日本のチームがテンポを上げてくるのは分かっていたからね。スピーディーなラグビーへの対策は考えていたんだよ」と明かした。

この日は汗ばむ陽気で、同HCが「暑すぎた」と漏らしたほど。素早い展開に持ち込まれないよう、キックはしっかりとスタンドまで蹴り込んだ。そうすればクイックスローが避けられて、「不意打ちを食らう」ことはなくなるというわけだ。

タラカイ主将は「慌てて(ズボンの)ジッパーを閉めたら、はさんでしまうことがある。男なら分かるだろ? それと一緒さ」とニンマリ。

花園の水間良武HCも「我々が速いラグビーをしようとしたので、ボールを意図的にスタンドまで入れたのですか? クイックスローが嫌で?」と相手側に質問をしたほどだった。

メルボルンの8トライに対し、花園は3トライ。

力の差はあったが、今季から昇格する「リーグワン」1部開幕に向け、花園にとっては学ぶべき点も多かった。

ゲーム主将を務めたフッカー樫本敦は「(2部に在籍した)1年前はこれだけフィジカルを上げて、ボールを動かすラグビーはしていなかったです。本当に楽しかった」。水間HCも「こんなゲームなら3連戦くらいしたかった。(仕上がりは)ぼちぼち。(12月の)開幕戦は勝つために準備をしていますので、必ず勝ちます」と言い切った。