GPシリーズ2戦目を迎えたアイスダンスの村元哉中(29)、高橋大輔(36)組(関大KFSC)は75・10点で5位発進した。

村元は「今回お客さんが目の前にいたので、とりあえず1人に集中して」。客席を見つめるスタートポジションでロックオンから、速いリズムに乗って見せ場のコレオステップに。「最初から踊りまくりたいって思いで」。即座に始まった手拍子に背中を押されるように、同調したツイズルや、リフトなどで魅了していった。

演技を終えると、笑顔でうなずき合った。得点が出ると村元は両手でガッツポーズ。高橋は「今日の本番はうまくまとめられましたし、レベルの取りこぼしはあったけどでも、その中でも評価してもらえるところ多かった。自分の中で100%の状態じゃないけど、本番集中して演技できたのは良かった」と振り返った。

この大会はデビュー戦だった。20年大会で2人で初めて試合に挑んだ。

17日の公式練習後、高橋は言った。「デビューした時は3年目もやってると思ってなかったんですけど。戻ってこれてうれしかったなと思いますし、デビュー戦からここまでで成長も感じられている」。村元も「『かなだい』の始まりの大会。成長してきたと実感できているので、早く演技したいなという感じです」と気持ちを高ぶらせていた。

第1戦スケートアメリカでは6位。強行軍となった翌週のデニステンメモリアルチャレンジでは、国際スケート連盟(ISU)公認大会で初優勝を飾った。1つの結果を残しての母国凱旋(がいせん)となっていた。

今季の目標の1つは全日本選手権の初優勝。村元は「そこにつながる自分たちが納得いく良い演技をしたい」と述べていた。まずはRDでそれを実現した。次は19日のフリーダンス「オペラ座の怪人」。高橋は「クリスティーンとファントムで、役になりきって、物語性のあるものを。その時の感情を大事に思い切り演じたいなと思います」と誓った。【阿部健吾】