全日本バレーボール大学女子選手権(インカレ)が28日、東京・大田区総合体育館ほかで開幕する。

女子で9年連続9度目出場の新潟医療福祉大(北信越学連)は29日の1回戦で敬愛大(関東学連・千葉)と対戦する。攻撃的チームを引っ張るのは黒鳥南主将(V2長野入団内定)、本山晴佳(V2広島入団内定)の4年生コンビと1年生の古川碧(そら)。「自創心(じそうしん)」をチームスローガンに創部初のベスト8入りを狙う。

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前回大会16強を超える準備は整った。1年時からインカレを経験する黒鳥主将は「4年間で一番、力があるチームだと思っている。自分たちの力を発揮できれば確実に勝ち上がれる」と自信を見せる。

黒鳥はスピードが持ち味。週3回の筋トレは欠かさず、ベンチプレスは大学入学時から7・5キロ増の42・5キロを持ち上げるなどスパイクに力強さが加わった。MB(ミドルブロッカー)からOH(アウトサイドヒッター)にコンバートされた本山は相手コートの急所を目がけて正確なショットを打ち分ける。

1年生の古川も順調に成長の階段を踏む。最高到達点はチーム2番目の295センチも「試合ではもっと跳んでいる」と浜野礼奈監督(46)が笑うように相手ブロックの上から強烈スパイクをたたきつける。古川は「自信を持ち、強気なプレーで勝利に貢献したい」と力を込める。

9月にコロナ禍で遠のいていた山形・蔵王合宿を3年ぶりに行った。4日間、ボールは使わずに陸上トラックやクロカンコースを走り続けて体力強化を図った。黒鳥は「地獄でした…」と苦笑いするが、「全員でやりきったことで責任感や精神力、チーム力が増した」と手応えを得た。

素直な気持ちを持ち、自分たちでバレーをつくり上げるという意味合いの「自創心」をスローガンに決め、汗を流してきた。超攻撃的なチームだが、守備力も向上し、ブロックポイントも増えている。学生生活最後のインカレに臨む黒鳥と本山の2人は「大学の新たな扉を開きたい」と8強進出を目標に据えた。【小林忠】

○…黒鳥はバレーボールVリーグ2部のルートインホテルズ長野に、本山は同2部の大野石油広島への入団が内定する。黒鳥は「1年目から試合に出て、V2優勝、V1昇格に貢献したい」。本山は「小さいころからの夢が1つかなった。これに満足せず、活躍できるように頑張りたい」とインカレ後、次のステップに挑む。

◆黒鳥南(くろとり・みなみ)2000年(平12)11月12日生まれ、新潟市出身。巻南小3年でバレーボールを始める。巻東中から古川学園高(宮城)に進学。大学では1年時から主力でプレー。最高到達点290センチ。身長171センチ。

◆本山晴佳(もとやま・はるか)2001年(平13)3月19日生まれ、長崎県諫早市出身。北諫早小2年でバレーボールを始める。諫早中から、九州文化学園高(長崎)に進学する。最高到達点281センチ。身長168センチ。

◆古川碧(ふるかわ・そら)2003年(平15)7月1日生まれ、上越市出身。国府小3年まではサッカーをしていたが小4でバレーボールに転向。直江津中、関根学園高を経て新潟医療福祉大入学。最高到達点295センチ。身長174センチ。