目の前の試合で、力を出し尽くす。

22年北京オリンピック(五輪)代表の河辺愛菜(18=愛知・中京大中京高)がショートプログラム(SP)で66・65点を記録し、首位発進を決めた。3本のジャンプを確実に降りた。

落ち着いた表情でスタート。冒頭のダブルアクセル(2回転半)を降りると、続く3回転ループ、ルッツ-トーループの連続3回転ジャンプを着氷させた。無観客開催の中、曲調が変わるたびに表情を変化させ、丁寧な演技を披露した。

演技後は「ルッツが両足気味になってしまった」と反省しながらも、泰然とした口調で「トーループまで降りられたことは、成長できたところかなと思います」と振り返った。

昨年末の全日本選手権では9位。フリー後には涙ながらに「次の年は後悔なく終われるようにしたい」と誓っていた。

そこから3週間。観客のいない静かなリンクでも、情感を込めて滑り切った。

「お客さんがいたほうが気持ち的にはやりやすいので、そこはすごく残念です。でも、今の出来る限りの表現と、いつも通りの演技をすることを心がけてできたかなと思います」

取材エリアでは「出来る限り」と繰り返した。

SPは2位に65・67点で吉田陽菜(17)、3位に63・07点で松生理乃(18)が入り、中京大中京のチームメートが続く結果となった。仲間の奮闘に負けぬよう、翌17日のフリーでも今の自分に出来る演技を表現する。【藤塚大輔】

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