ロコ・ソラーレ(ロコ)は、前半に相手のミスもあってリードした。1次リーグではいい形をつくれないことがあったが、この日は特にサード吉田知選手がよく、藤沢選手も調子を維持したままプレーできた。SC軽井沢クは中盤からしっかりと石を残してチャンスをつくっていたが、ロコの実力が上だった。大会を通じても、ドローショットの精度が高く、その部分で他のチームを上回った。

世界で活躍するチームがいると全体のレベルが上がる。今大会はロコを参考にしたチームが多かった。強くなる方法は簡単にはわからないものだが、ロコの会話からコミュニケーションの方法、作戦など手本にできる。もちろんショットを決める力があるかは別問題になるが、その部分が変わってくれば、ロコもうかうかしていられなくなる。

今大会の驚きとして、フィロシーク青森の存在があった。上位にくるチームはスポンサードされたり、経験者がいたりするもの。彼女たちはそれがない中、カーリングが好きで仕事終わりに練習を続けてプレーオフまで上がってきた。いい指導者がついて環境が整えば、すごく伸びるだろう。

ロコは世界選手権で大きなチャンスがある。最大のライバルになりそうなカナダに1月のグランドスラムで2度勝っている。このチャンスをぜひつかんでほしい。(元日本代表サード)