競泳女子でオリンピック(五輪)2大会連続出場中の池江璃花子(22=ルネサンス)が25日、東京・千代田区の日本武道館で開催された日大の卒業式に出席し、多くの支えに感謝した。

「誰よりも目立ってやろう」と、純白の着物に薄水色のはかま姿で出席。蝶々の刺繍には「(水泳の)バタフライと、羽ばたきたい」との思いを込めた。卒業証書を手にし、「生きるか死ぬかを経験した4年間。誰よりも充実した期間を送られた」と、すがすがしい表情で大学生活を振り返った。

式典では、同じく水泳部で21年東京五輪代表の小堀倭加(22=セントラル戸塚)らとともに学長賞を受賞。登壇し、代表として酒井健夫学長から賞状を受け取った。モニターに自身が映ると、笑顔を見せて会場を沸かせる場面もあった。

白血病により、高校の卒業式と大学の入学式は出席できなかった。1年生時には授業に参加できず、単位の取得が遅れた。それでも、長期休暇を利用して勉学に励み、仲間とともにこの日を迎えることができた。「こうやって健康に卒業式を迎えられてうれしい。みんなと『おめでとう』とたたえ合えられるのは不思議な感じ」と、感激した様子だった。

4月から横浜ゴムの所属となり、同4日に開幕する日本選手権(東京アクアティクスセンター)に出場する。今年7月の世界選手権(福岡市)代表選考を兼ねる大会で、5種目にエントリー。昨年は不調で世界選手権代表を逃しており、個人種目での代表入りを目指す。「自信がすごくあるわけではない。とにかく全力で泳ぐこと。それ以上は求めずに、アスリートとしての気持ちを整えて臨みたい」と力を込めた。

常にそばで支えてくれた母の話になると、涙を浮かべながら「自分1人ではここまで来られなかった」と感謝。「1人の女性として周りの人から尊敬される人間になりたい」と誓った。

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