初出場で東京・淑徳巣鴨高2年の成田実生(みお、16=金町SC)は8位。4分42秒14を記録した。

8日間に及んだ競泳の個人最終種目。将来有望な16歳が大型な他国の実力者たちに必死に食らい付いた。

準決勝で敗退した初日の200メートル個人メドレーを経て迎えた、この日午前の予選。世界記録保持者で同い年のサマー・マッキントッシュ(カナダ)を横目に、自分の泳ぎを貫いた。前半のバタフライから果敢に攻め「全然想定外で…。『絶対に決勝に行きたい!』と思って泳いで、ちょっとびっくりしています」と全体3位通過に目を丸めた。

調整を続けていた2日前、代表での担当となる平井伯昌コーチに素直な心境を話した。百戦錬磨の平井コーチから「自分が思っているレースとか『こうやりたい!』というのをやるのが、一番大切だよ」と言葉を授かり、頭が整理できた。

「それですごく前向きになれました」

22年世界ジュニア選手権で個人2冠、リレーを合わせて3冠を達成し、シニアの舞台に飛び込んだ。平井コーチは教え子の北島康介さん(40)が金メダルを獲得した、04年アテネ五輪での経験談を話してくれた。

同五輪では大会直前にライバルのブレンダン・ハンセンさん(41=米国)に世界記録を更新された。平井コーチは北島さんに「予選から思い切りいけ! まともに勝負したら向こうの方が上。3発(予選、準決勝、決勝)で倒すつもりでやろう」と指示。結果は思い描いた通りの金メダルで、ハンセンさんは実際に北島さんの存在を過剰に意識した部分があったという。

具体例を聞き、この日の成田は自分に集中する心構えで臨んだ。予選からマッキントッシュの存在さえも頭から消し「泳いでいる時は全然考えていなかった」とうなずいた。かけがえのない経験を積み上げ、初めての世界選手権が幕を下ろした。【松本航】

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