ラグビーの15年W杯イングランド大会日本代表WTBの藤田慶和(29=三重ホンダヒート)と「キムタカ」の愛称で親しまれるSH木村貴大(29=東京サントリーサンゴリアス)が6日、12月開幕のリーグワンでの対戦を心待ちにした。

東福岡高で同期の2人は、都内で3回目となるイベント「夢へのトライ(夢トラ)」を開催。ファン約50人と交流し、直近2シーズンの出来事を振り返りながら、苦境を乗り越えて成長する経験談などを共有した。

藤田は22年夏に強豪の埼玉パナソニックワイルドナイツから、当時2部の三重へ移籍を決断。公式戦全試合出場、日本代表復帰などを目標とし、見知らぬ土地で再スタートを切った。

「ワイルドナイツで試合に出場できておらず、公式戦のプレッシャーの中で、どれだけ実力を発揮できるのか不安がありました」

日常から、自主練習や個人の課題に向き合うトレーニングに取り組み、周りの選手にも波及。全試合フル出場で1部昇格に貢献し「積み上げたことが、試合で少しずつできるようになった。小さな成長が大きな成長に変わった瞬間、自信になりました」と明かした。

一方の木村は21年春のコカ・コーラ廃部を受け、同年夏に強豪の東京サントリーサンゴリアスに入団。当初は日本代表でも主力の流大(30)や斎藤直人(25)と自身を比べることで、プレッシャーをかけ、持ち味を出せなかったという。前向きになるきっかけはメンタルコーチのひと言だった。

「他人はあなたが思っているほどに、あなたに興味は持っていない」

ベクトルが自らに向き「むっちゃ心が楽になった」と振り返る。前十字靱帯(じんたい)断裂など大きな故障を経験しながら、パスのフォーム改善などに取り組み「2022年の1年間が一番、ラグビーがうまくなりました」と笑った。

新シーズンに向けて、藤田はタックル成功率、ボールタッチ数の向上などを目標に掲げる。木村も専属トレーナーと体の使い方を見直し、9月の練習試合から猛アピールを誓う。

三重が1部に昇格したことで、大学生以来という直接対決が実現する可能性がある。2人は「戦いたい」と声をそろえ、ピッチ上での“再会”を待ちわびた。【松本航】