春の選抜大会を制覇した桐蔭学園(神奈川)と、前回大会王者の東福岡(福岡)が決勝に進出した。2大会連続8度目の頂点を狙う東福岡は、佐賀工(佐賀)との九州勢対決を50-28で制した。7日の決勝は両校優勝となった10年度以来の“東西横綱決戦”となった。

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快走劇で口火を切った。前半3分。東福岡・CTB村上は2バウンドしたパスを受け取る。ダミーパスを仕掛け、50メートル6秒1の快足を飛ばした。「スペースを見つけていたので『いける』と思った」。約50メートル先のインゴールに向かって一直線。独走トライで先制点を奪い、「チームで『試合の入りを大事にしよう』と言っていた」。プラン通りの立ち上がりで、終わってみれば計8トライを奪っての圧勝だった。

スタンドで見守る父俊洋さんに勇姿を届けた。岐阜県郡上市出身。中学3年時には同校OBで三重に所属するFB藤田慶和の父久和氏が塾長を務めるラグビースクール「藤田塾」に入塾した。週に1回。自宅から名古屋までは車で片道約1時間半だった。送迎してくれた父には感謝しかない。「藤田塾でラグビーをしていなければ、東福岡の自分はいない」。今大会4試合に出場し、チーム最多タイの5トライと大活躍中だ。「花園で両親にいいところを見せたい」と恩返しを胸に刻む。

決勝を懸けた一戦は大会初の“九州勢対決”による準決勝だった。隣県のライバル同士で現チームは今回で公式戦4度目の顔合わせ。全勝中で迎えていただけに「九州同士で自分は負けられない存在だと思っている。意識はしていた」。後半に3連続トライを許すも、地力で勝った。

有志(ありし)の名前は「志のある子になってほしい」と両親から命名された。大会連覇まであと1つ。「今は日本一の志を持って、グラウンドに立っている。絶対に勝ちます」。東西横綱決戦へ気持ちを高ぶらせた。【佐藤究】