25日に閉幕した卓球の世界選手権団体戦に臨んだ男女日本代表が26日、7月に開幕するパリ五輪での打倒中国勢へ再出発した。

開催地の韓国・釜山から帰国し、都内で記者会見。5大会連続銀メダルながら決勝で中国を2-3と追い詰めた女子は、エース早田ひな(23=日本生命)が“気持ち悪い卓球”との融合で難敵打破を誓った。

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早田の視線は、すでにパリへ向いていた。

2日前の24日に行われた中国との決勝。第2試合では東京五輪2冠で過去7戦全敗だった陳夢から初勝利を挙げたが、第4試合で世界ランク1位の孫穎莎に0-3で屈した。

最終第5試合を15歳の張本美和(木下グループ)が落とし、2-1からの逆転負け。エースの胸に、手応えや喜び以上の悔しさが残った。

「本当のエース対決で力不足。今の中国は孫穎莎選手、ほぼ1人で成り立っている。そこを倒していくのが大事になる。逆に言うと、倒さなかったら、中国自体があまり揺るがない」

ヒントは見つけた。

中国は17日の1次リーグ初戦で格下のインドに3-2と大苦戦。変則ラバーを用いた相手に孫穎莎らが敗れた。慣れ親しんだラバーから変えるのは現実的ではないが、決勝では陳夢を相手に普段と異なる軌道の球を試した。

「いろいろな意味で“気持ち悪い卓球”。私だったら出さないと思うボールを出すことで、相手も一瞬ひるむ」

結果的に通常より高い位置でのラリーとなり、互いが“気持ち悪い”と感じた打ち合いを制した。昨秋以降、「本気でつぶしにきている」と対策されている実感があり「中国の誰と当たった時もあり。さらに枝を広げていく」と手応えをつかんだ。

3時間半超えの決勝後、ホテルに戻ったのは25日の午前2時。体をケアし、就寝は同6時。それでも昼から午後7時まで練習し「今も時差ぼけみたい。本当に休んでいる暇がない」と苦笑いする。

「ボールの軌道、捉え方、メンタル…。本当に桁違い。半年間、孫穎莎選手だけにフォーカスするのは大事と思う」

個人、団体金メダルへ、孫の攻略には“気持ち悪さ”も必要。いよいよ準備は最終段階に入る。【松本航】