大きな期待を背負う、注目の大学生がいる。Wリーグのアランマーレ秋田・樋口鈴乃(22=白鴎大)は昨年、主将として全日本大学選手権で7年ぶり2度目の優勝に貢献。皇后杯では同リーグの日立ハイテク、東京羽田に勝利し、8強入りに導いた。アーリーエントリーで合流した実績十分のポイントガード(PG)が、加入の経緯や将来的な目標を語った。チームは3月2、3日、秋田・大館市内でアイシンと対戦する。【取材・構成=相沢孔志】

   ◇   ◇   ◇   

樋口は1月4日、Wリーグのコートに立った。相手は昨年皇后杯優勝のデンソーで、会場は全日本大学選手権優勝で歓喜した代々木第2体育館。合流からわずか1週間と準備期間は少なかったが、いきなり第1クオーター(Q)から出場。デビュー戦は16分プレーすると、第2戦は主力PGの平松飛鳥(29)を超える28分出場で2得点、4アシストとアピール。上々の滑り出しとなった。

精華女(福岡)から関東大学1部リーグの白鴎大に進学。「4年間では4年生の時が一番伸びた」と振り返った昨年は、皇后杯2次ラウンド東京羽田戦が「一番調子が良かった」。3点シュート(3P)4本を含む24得点、11アシストの「ダブルダブル」をマークし、準々決勝ENEOS戦で敗退したものの、3P4本成功などで20得点を挙げた。自信をつけて挑んだ直後の同選手権でもチームの軸となり、大学日本一の称号をつかんだ。

実績十分の“スター候補生”だ。大学の同期はトヨタ自動車、富士通といった強豪にアーリーエントリーで加入する中、樋口はWリーグ3季目のアランマーレ秋田を新天地に選んだ。

「(加入理由の)一番は小嶋(裕二三)ヘッドコーチに教わりたかった。練習を見に来た時も丁寧に細かく指導していて、そういう環境でやってみたいと思った。白鴎大学は勝って当たり前のチームだったので、小嶋さんに誘われた時は『勝たせ続けるガードじゃなくて、チーム(アランマーレ秋田)を勝たせるガードになってほしい』と言われた。その言葉がすごく心に残ってアランマーレに来ようと思った」

主将は小中高大でいずれも経験。意欲はないそうだが、「学年が上がり、自分たちの代になったら勝手になっていた感じ」と笑う。それだけに「ゆくゆくはWリーグでもキャプテンを ?」と聞かれると、樋口は「いやいや(笑い)」と、目を細めた。今はまだ先を見据えず、1つずつステップアップしていく。

「アランマーレでしっかりプレータイムをもらい、平松さんを超えてスタメンのPGになることが、近い目標。そこから周りに評価してもらい、もっと上にいけるように頑張りたい」

リーグが再開した24、25日はアウェー新潟戦に臨み、第1戦は3P5本を含む24得点で快勝。第2戦は10点差で敗れたが、第4Qの10分間を含む28分に出場し、8得点、4アシストと経験を積んだ。身長163センチで小柄だが、コートでは身長以上の存在感を見せている。

「この期間の活躍が、来シーズンのチームの立ち位置に関わる。プレータイムを得るために練習を頑張るし、プレータイムをもらえば、できることを全力でやるだけ」

歩み始めたトッププレーヤーへの道。今から、明るい将来を期待せずにはいられない。

 

▽アランマーレ秋田・北川愛理(25=24日新潟戦で24得点を挙げた樋口のプレーを見て)「ベンチで見ていた時は観客みたいに見てしまった(笑い)。タップシュートなど、すごいプレーもある中、1つ1つのプレーの確率が良い。3Pも一番よく決めてくれてすごく頼りになる」