レギュラーラウンド(RR)2位のNECが、皇后杯とリーグ制覇の2季連続2冠を達成し、Vプレミアリーグ以降8度目の頂点に立った。

決勝で、24年ぶりのシーズン無敗での“完全優勝”を目指した同1位のJTと対戦。RR2戦では連敗を喫していた難敵を3-1で下した。日本代表でも主将を務めるエース古賀紗理那(27)が、チームトップの26得点で最高殊勲選手賞を受賞。来季からSVリーグ新設のため、Vリーグ最後の女王に輝いた。

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頂上対決を制し、最後に笑ったのはNECだった。2季連続の2冠。最高殊勲選手の古賀は、金メダルを胸に言った。「チームで戦って勝った。成長がとてもうれしい」。仲間とともにつかみ取った栄冠は、何よりの喜びだった。

エースの一打が、優勝をたぐり寄せた。第1セット(S)を先取して迎えた第2S終盤。マークが集中する中で、託されたトスを迷わず打ち抜いた。相手の6度のセットポイントを耐え、30-30からの2連続スパイクで逆転連取に導いた。第4Sは、磨きをかけてきたバックアタックがここぞの場面でさく裂。4本を決めて振り切った。「私たちの中で感覚や意識が一緒になった。安心して任せられた」。セッターとの信頼が、決戦で道を切り開いた。

共通意識の契機になったのは、今年1月14日。RRでJTに1-3で敗戦後、「コンビの精度が低い。セッターのギャップに苦しめられた」と、年上の塚田、ルーキー中川の両セッターに対して厳しい口調で指摘した。それから約2カ月。3人で密なコミュニケーションを取り合い、それぞれのトスの差を修正。「私の高さを殺さないでセットしてくれる」と、勝てるコンビの土壌を作りあげた。

その目はチーム全体にも及んだ。選手間ミーティングでは、年齢や背番号の有無にかかわらず発言機会を設定。攻撃の軸を担う米国代表のドルーズも、日本語を交えて積極的に声かけに参加する。ただの仲良しこよしではない。練習は「常に試合を超えるストレスをかけてきた」(古賀)。1つのミスがあると「今のはダメ」「そこから(悪い流れが)始まる」と厳しい声が飛ぶ。スタメンとそれ以外に分かれる試合前には、控えメンバーも「Aチームを倒すつもりでやろう!」と士気を高く保ってきた。

勝利への執念を持った選手たち。その強力な個が大一番で結束を高め、夢を結実させた。屋台骨を支え続けた古賀は「自信につながった」と胸を張った。来季から始まる新リーグでも、歴史を刻み続ける。【勝部晃多】

◆古賀紗理那(こが・さりな)1996年(平8)5月21日、佐賀県神埼郡出身。ポジションはアウトサイドヒッター。5歳で熊本に引っ越し、小学2年で本格的に競技を始める。熊本信愛女学院高2年時から全日本女子代表で、卒業後VリーグのNECに入団。夫はバレー日本代表の西田有志。好きな歌手は藤井風。180センチ。

 

NEC金子隆行監督(連覇を達成し)「選手たちの成長に感謝。この結果を自信にして、過信しないで次のタイトルに向かっていきたい」

NEC中川つかさ(セッターとして流れをつなぎ)「チームにエネルギーを与えるのが私の仕事。しっかりしようと思ってコートに入れた」

NEC山田二千花(7得点で連覇に貢献)「相手がすごいのはわかりきっていることだったので、それにとらわれず自分たちのバレーをどれだけするかが大事だと話していた。対JTに対してチーム力で勝てたのは、いい自信につながったと思う」

NEC塚田しおり(多彩なトスワークでけん引)「みんなが集中力を高く持って、1点1点に向かえたのが勝因。勝ち切れて本当によかった」

NEC小島満菜美(ベストリベロ賞を獲得)「競った場面がすごく多かったが、堪えて勝ち切れた。賞は私個人の賞ではなくチームとして評価された」