ばけばけの国から大化け最年少メダルだ。来年2月6日のミラノ・コルティナ五輪開幕まで、29日であと100日となる。スノーボード女子ハーフパイプ(HP)の15歳清水さら(TOKIOインカラミ)は、冬季五輪日本女子史上最年少メダルに注目が集まる。初めて出場した今年3月の世界選手権で、銀メダルを獲得したホープ。父の出身地島根・出雲市からの声援も糧に、夢舞台の頂を目指す。【取材・構成=勝部晃多】
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15歳の清水が“ミラノの星”になる。出場を果たせば、16歳3カ月で迎えることになる26年ミラノ・コルティナ五輪。メダル獲得となると、22年北京大会の村瀬心椛(ここも)の17歳3カ月を抜く日本女子最年少記録になる。「小さいころから目指してきた場所」と語る大舞台。「そこで結果を残せるような選手になりたい」と、「夢」を実像として見据えている。
小5の21年に全日本選手権最年少優勝を果たし、史上最年少でプロ資格を獲得。五輪プレシーズンの24-25年にワールドカップ(W杯)デビューすると、第2戦でいきなり優勝するなど4戦で2度表彰台に立った。種目別ランキングでは日本勢トップの3位に入り、2月のアジア大会を初制覇。初出場した3月の世界選手権で銀メダルを獲得し、一気に五輪金メダル候補へと駆け上がった。
成績だけでなく、スター性も十分だ。「W杯で想像していたよりもいい成績が出せて自分でも驚いている」と謙虚に話した一方で、大舞台で輝く強心臓の持ち主。「元々緊張しない性格。出ていくうちに慣れたというか、自分の世界に集中できるところに持っていけた」と、大物ぶりも漂わせていた。
世界的に見ても女子では挑戦の少ない、縦に2回転、横に3回転する超大技「ダブルコーク1080」も習得済み。「それがあるとだいぶメダルに近づく」と自信を見せる。まずは五輪代表入りをつかむべく、出場を予定する3度のW杯で優勝を目指す。京都・平安女学院高の1年生が、約100日後にミラノで誰よりも輝く。
◆五輪の日本勢年少メダル 冬季最年少は14年ソチ大会でスノーボード・ハーフパイプ男子銀メダルを獲得した平野歩夢の15歳2カ月。女子は22年北京大会スノーボード・ビッグエア銅メダルの村瀬心椛が、17歳3カ月の記録を持つ。メダリストではないが、フィギュアスケートでは12歳だった36年ガルミッシュパルテンキルヘン大会に出場した稲田悦子が、夏冬通じての最年少出場。ロイヤルボックスから開会式を見守ったヒトラーが「あの子は何をしにきたのか」と尋ねたといわれている。
夏季最年少メダリストは、21年東京大会スケートボード女子パーク銀の開心那で12歳11カ月。男子は32年ロサンゼルス大会競泳1500メートル自由形金メダルの北村久寿雄で14歳10カ月。92年バルセロナ大会の競泳女子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得した岩崎恭子は、14歳6日だった。「今まで生きてた中で、一番幸せです」のコメントが大きな話題となった。
◆清水(しみず)さら 2009年(平21)11月12日、滋賀・大津市生まれ。父の影響で4歳からスノーボードを始め、小1でHPを開始。小5の21年に全日本選手権を制し、日本女子最年少でプロ資格を取得。24年ユース五輪で銀メダル。同年にW杯初参戦を果たすと第2戦で五輪選手らを抑えて優勝。今年3月の世界選手権で銀メダルを獲得。平安女学院高1年。
◆スノーボードのミラノ・コルティナ五輪への道 五輪では9種目が実施。予選期間の24年7月~26年1月のW杯と25年世界選手権のポイントをもとに、26年1月19日に国際スキー・スノーボード連盟が五輪出場枠配分リストを作成。上位から順に、開催国を含む国と地域の五輪委員会が選手1人につき1枠を獲得する。各種目最大4枠で、スロープスタイルとビッグエアは1種目と見なされる。


