スポーツクライミングの今季最終戦が、今年も日本で行われる。2年連続となる「ワールドクライミング グランドフィナーレ 福岡 2026」が5~8日に、飯塚市の筑豊緑地公園で開催される。
パラは、昨年のエキシビションからワールドクライミング・パラシリーズ(旧ワールドカップ)に今年は格上げ。最終の第5戦として、リード種目のシリーズ世界王者を決める大一番となった。
昨年も同所で「クライミング グランドファイナルズ」として初実施され、男女、個人と団体、パラ競技との垣根を越えた日本初「健常者との一体開催」として注目された総合大会。今年は、日本パラクライミング協会(JPCA)の新たな代表理事に就任した平間伸爾氏(63)が陣頭指揮を執る。
4月に就任。偉大な前任から引き継いだ。JPCA設立者の1人として3月まで共同代表を務め、自身も世界選手権4連覇のレジェンドという全盲のクライマー、小林幸一郎氏からバトンを託されて初年度。運営準備の最終局面を迎えている。
平間氏は、いち教員として障害者スポーツを知った立場から、会長になった。学校教師として長く生徒を指導し、中学校長などを歴任。県庁ではスポーツ分野の担当として行政に携わった。スポーツ局長まで務める以前から、国際大会の誘致や開催を重ねてきたスペシャリストだ。
「福岡県の障がい福祉課が担っていた障害者スポーツを、一般のスポーツ分野で扱うことになった際、最初の係長として携わりました。その後も障害者スポーツに関わり続け、局長の後は県障害者スポーツ協会で勤務してきました」
これまで関わってきた国際大会は、バレーボールやスケートボード、BMX、ツール・ド・九州など。その中で「糸島市の出身なんですが、福岡国体の際、クライミングの会場だったんです。街の体育館にもクライミングウォールが設置されていて、登ったりしていました」と原点を明かす。
「と言っても、頻繁にやっていたわけではなくて、クライミングやパラの専門的な知識はまだまだ学んでいる部分なんですが、長くスポーツに携わってきた経験、障害者スポーツに関わってきた年月を買われてなのか、会長職を10年にわたって務めてこられた小林さんの後を受けさせていただくことになりました」
平間氏なりに普及していくに当たり「クライミングは、自分自身の成長を感じられるスポーツ。自分自身との勝負ができる競技」と魅力を見いだす。
「今日、ホールド(クライミングで登頂に活用する突起物)をつかめた。今日はダメだった。でも、つかめなかった石に明日は手が届くかもしれない。届いたら、次はさらに1つ上を目指してみよう。明後日は…と、自分自身との競争、勝負なんです。勝利を争うトップクライマーから、健康増進の初心者まで、人と比較するだけではなく、チャレンジのたびに自分自身の成長を感じられるところがクライミングの魅力だと思っています」
子どもから高齢者まで、障害の有無にかかわらず一緒に楽しめるスポーツ。「例えば親子で同じ壁に挑んで、それぞれの力で登っていく。大人より子どもの方が軽やかに登っていけることもあれば、家族同士で声を掛け合いながら、助け合って進むこともできます」とポテンシャルも感じている。
「自分はバスケットボールを専門としてきたのですが、なかなか体力的に親子や祖父母が一緒にプレーすることが簡単ではないですし、やはり他人との勝負になってきます。ところが、クライミングは同じ壁で一緒に楽しめる。登る速さ、高さだけではなく、コミュニケーションが取れるスポーツ。そして、やはり自分自身の課題に向き合えて、成長を感じられるスポーツだと思います」
二刀流のパラ選手も多く「他のスポーツから移ってくることもできます」と歓迎した上で「基礎体力をつくるためのトレーニングとして、クライミングを利用することも十分できます。そういう使い方をしてもらってもいいかなと思いますし、クライミングジムも、最近は増えてきました。ぜひ体験してもらいたいですね」と紹介した。
福岡県では、人口500万人超のうち約32万人(令和4年度)が身体障害者手帳を持っているといい「その有無に関係なく、それぞれのレベルで自分のために楽しめるクライミングは、スポーツとして本当に素晴らしい。これを日本で、もっともっと広めていけたら」とも描く。
同じ飯塚市の筑豊緑地公園では「飯塚国際車いすテニス大会」が毎年4月に行われている。「小田凱人選手、上地結衣選手の活躍もあり、車いすテニスについては大変よく理解していただいている飯塚市ですが、クライミングは2年目。まだまだです。県民割など、さまざまな券種を用意していますので、ぜひ気軽に足を運んで遊びに来てもらって、クライミングを体験していただけるとありがたいなと思います」と呼びかけた。
パラクライミングは5日に予選、翌6日に決勝が実施される。【木下淳】
■大会名称 ワールドクライミンググランドフィナーレ福岡 2026(World Climbing Nations Grand Finale FUKUOKA 2026/World Climbing Para Series FUKUOKA 2026)
■日程 2026年11月5日(木)~8日(日)
□5日(木)午前9時~パラクライミング予選
□6日(金)午前10時~パラクライミング決勝
□7日(土)午前9時30分~チームボルダー予選、午後2時30分~決勝
□8日(日)午前9時30分~チームリード予選、午後3時~決勝、午後7時~クロージングバンケット
※7、8日は予選と決勝が入れ替え制、それぞれチケットが必要
■会場 筑豊緑地公園/いいづかスポーツ・リゾートザ・リトリート(福岡県飯塚市仁保8の37)


