11日午前7時15分ごろ、津市小舟の伊勢自動車道上り線の路肩に止まった車内で、レスリングで五輪3連覇を達成した吉田沙保里の父栄勝さん(61)がぐったりした様子で倒れているのを別の車の運転手が見つけ、110番した。栄勝さんは病院に運ばれたが、死亡が確認された。死因はくも膜下出血。

 三重県警高速隊によると、車の前方に傷があり、追い越し車線脇の中央分離帯に接触後、300メートル先の走行車線左側のガードレールにぶつかり、路肩に停車したとみられる。現場は津インターチェンジ(IC)から南に約500メートル。

 高速隊は、事故の状況などから、運転中に発症した栄勝さんが路肩に車を止めようとし、停車後に完全に意識を失ったとみて調べている。

 関係者などによると、栄勝さんは青森県八戸市出身で、レスリング日本女子代表のコーチ。11日午前6時半ごろ、1人で車に乗り、選手と合流するため愛知県大府市の至学館大に向かったという。その後、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)で11日から始まる合宿に参加する予定だった。

 自身も元レスリング選手で現役時代は1973年の全日本選手権フリースタイル57キロ級で優勝。その後はレスリング教室を主宰し、吉田を幼い頃から指導してきた。2008年に日本女子代表のコーチに就任し、12年のロンドン五輪では吉田のセコンドに付いた。