<テニス:ウィンブルドン選手権>◇6日目◇6月30日◇ロンドン・オールイングランド・クラブ

 世界20位の錦織圭(22=日清食品)が、日本男子として95年松岡修造以来、戦後2人目の大会16強入りを逃した。同9位のフアンマルティン・デルポトロ(23)に3-6、6-7、1-6で敗れ、4大大会自身3度目の4回戦進出はならなかった。これで日本選手はすべて姿を消した。

 09年全米覇者の壁は崩れなかった。錦織は、競るものの、最後まで自分のリズムをつかめず。大事なポイントで、時速200キロを超える相手のサーブや、ネットインや当たり損ねが、すべて相手に味方する不運も手伝い、ストレートで敗れた。「今の実力がどのぐらい通用するか」と楽しみにしていた対戦は、残念な結果に終わった。

 惜しかったのは第2セットだ。2-4から追いつき、タイブレークでも2-1とリード。しかし、相手の当たり損ねのバックがネットに当たり、錦織側にぽとり。第2セットの最後のポイントは、相手のバックの当たり損ね。これで流れは完全にデルポトロに傾いた。運も味方しなかった。

 4月のバルセロナで左脇腹を肉離れ。約2カ月間、ツアーから離れ、今大会が復帰戦だった。また、自身初の大会勝利を挙げ、シードを守っての3回戦進出。大会前に「無理はしたくない」と話していただけに、復帰戦としては上出来の結果だった。

 今大会2週間後には、同じ会場で、錦織にとって2度目の五輪出場がある。「実力も経験も、北京とは全く違う」。今大会後、9日開幕の米国ニューポートの芝で行われるツアー大会に出場。五輪への準備大会と位置づけている。その後、米アトランタのツアー大会に出場し、ロンドン入りだ。この日の雪辱は、五輪の舞台で必ず返す。【吉松忠弘】