<卓球:全日本選手権>◇第2日◇16日◇東京・国立代々木競技場

 天才卓球少女の伊藤美誠(みま、12=豊田町スポーツ少年団)が「卓球私塾」で五輪金メダルを目指す。今年4月から、女子日本代表の村上恭和監督が立ち上げた卓球のエリート塾「関西卓球アカデミー」に進むことが16日、分かった。卓球協会のJOCエリートアカデミーはあるが、トップ選手が中学の部活動ではなく民間のクラブに進むのは異例。生まれ育った静岡県磐田市を離れて、大阪・昇陽中に進学する。

 同塾は期待の若手女子選手を集めて、昨年のロンドン五輪後に本格始動した。スローガンは「20年五輪で金メダル」。対中国を目標に置き、専属の中国人コーチと1対1で練習する。「世界と戦うためには幼いうちから鍛えることが必要。個人の成長が不可欠になる」と村上監督。その考えにひかれて、伊藤は部活動でなく“私塾”を選んだ。

 10歳2カ月で臨んだ2年前の全日本選手権で、福原愛の持っていた一般シングルス最年少勝利記録を更新した。この日はジュニア女子3回戦から登場し、中学生相手にフルゲームの末に3-2で破った。今大会で優勝すれば、福原が持つジュニア最年少優勝(中1)を更新。一般の部でも1勝して2回戦へ進み、「ジュニアでは優勝したい。一般では、福原選手と対戦するチャンスがあるので、そこまでいきたい」と目標を掲げた。

 ◆伊藤美誠(いとう・みま)2000年(平12)10月21日、静岡県磐田市生まれ。両親の影響で2歳から卓球を始める。11年9月に台湾ジュニア・オープン優勝。ホープス(小6以下)の選手として世界で初めてジュニア(高2以下)の国際大会を制した。全日本選手権では小2の08年にバンビの部、小4の10年カブの部で優勝。