フリースタイルスキー・モーグル女子のエース伊藤みき(26=北野建設)が、ソチ五輪出場への強い意欲を示した。7日に遠征先のフィンランドで右膝の前十字靱帯(じんたい)を損傷した伊藤は16日、都内で会見した。医師からはリハビリと手術で全治8カ月と診断されたと明かした上で、「私は死んでない。すべてがなくなったわけではない。この足で勝ちにいくよう取り組みます」と、手術を回避して五輪出場を目指すと明言した。

 ギプスで固めた右足をかばいながら、つえを手に会見場に現れた。12位に終わったバンクーバー五輪後に「ソチ五輪で金メダルをとる」という目標を掲げ、昨季はW杯初優勝、世界選手権では銀メダル2つを手にした。腰痛や右足首のケガと付き合いながら上を目指してきた。「このケガで目標を変えるのはおかしいと思った。自分が、自分のためにやりたい」と時折笑顔を見せながら話した。

 全日本スキー連盟の五輪派遣基準は満たしているが、代表となるには1月20日前後までに出場のめどが立たなければならない。林フリースタイル部長は「ぎりぎりまで状況を見る。本人、ドクターと協議をして、将来も考えて判断したい」と話した。【保坂恭子】