<バレーボール・全日本高校選手権:米沢中央2-0和歌山信愛>◇女子1回戦◇5日◇東京体育館

 米沢中央(山形)が和歌山信愛を破り、09年以来の「春高」1勝をつかんだ。全日本ユース代表のライト高橋茉莉奈(1年)が、最高到達点300センチの高さを生かし、要所でポイントを奪って相手を寄せ付けなかった。

 米沢中央のスーパー1年生が、初の「春高」で魅せた。第1セット、22-22から高橋が強烈なスパイクをたたきこんで勝ち越すと、セットポイントでも179センチの高さで圧倒した。最高到達点300センチは、女子の今大会出場選手で8位タイ。第2セットでもブロックを決めるなど、快勝発進に導いた。全日本ユース代表にも名を連ねる16歳は「ずっと緊張してたけど、周りがいいトスをくれた。この1勝は価値が大きい」と初々しい笑顔を見せた。

 待ちに待った逸材だった。宮城・中山中で頭角を現して2年時に県選抜に入ると、3年時には世代別の日本代表に初選出。県内外の強豪校から誘いを受けたが、小学生だった09年に観戦した東北大会決勝で古川学園(宮城)を破った米沢中央にあこがれ、早々に進路を決めていた。前回出場した2年前の初戦で強豪・下北沢成徳(東京)にフルセットで敗れて涙をのんだ三沢美憂主将(3年)は「スーパーエースが本当にうちに来てくれた。今年はいけると思った」。昨夏の高校総体は16強。強力ルーキーの加入で、全国での上位進出が一気に見えてきた。

 高橋の夢は20年の東京五輪出場だ。昨年10月のアジアユース女子選手権(タイ)では日本の優勝に貢献。「東京オリンピックを目指して、金メダルを取りたい」と強い決意を示した。高校入学時から「身長は1、2センチ伸びて、今も伸びている」と言うように、まだ成長途上。好きな食べ物は「さくらんぼです」と笑う“山形娘”が、今日6日の日本航空(山梨)との2回戦でも超高校級の力を見せつける。【鹿野雄太】

 ◆高橋茉莉奈(たかはし・まりな)1998年(平10)8月11日、山形県生まれ。茂庭台小(宮城)2年から人来田・茂庭台バレーボールクラブでバレーボールを始める。中山中では2年時から宮城県選抜入り。3年時に全日本ユース代表に初選出。家族は両親と妹2人。179センチ、63キロ。血液型O。