9大会連続9度目出場のイタリアが、初の8強進出へ初陣星を飾った。

伝統の強力FWとBKの技術力が融合し、計7トライを奪って47-22でナミビアを逆転。今大会限りで代表を引退するNO8セルジオ・パリセ主将(36)が、史上最多タイとなる5度目のW杯出場を達成した。3連覇を狙うニュージーランド、南アフリカが入るB組で勝ち点5を獲得したイタリアが首位に立った。

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頼れる男がそこにいた。西の聖地花園で初開催のW杯。初の8強入りを目指すイタリアが、2万人を超える観衆を沸かせた。開始5分にミスから先制トライを献上。その直後だ。頼みのFWがスクラムを押し込んで認定トライ。その最後尾にいたのが18歳で代表入りし、史上最多タイとなる5度目のW杯出場を飾ったNO8パリセ主将だった。同じイタリアのマウロ・ベルガマスコ、サモアのブライアン・リマと並ぶ大記録を達成しても淡々と話した。

「チームが勝つことが重要だった。勝利した上で、ボーナスポイントを加えた勝ち点5を得ることだけを考えた。その目標を達成することができてうれしい」

00年から欧州伝統の6カ国対抗に加わり急成長した。8月には、日本が今大会の開幕戦(20日)で破ったロシアと対戦し85-15で大勝。FWだけでなくBKも力を付ける。雨が強まった後半3分には、華麗なキックパスからWTBパドバーニが左隅に飛び込んだ。

4トライ以上のボーナス勝ち点も加えB組首位に浮上しても、元アイルランド代表FBのオシェイ監督は「私たちの普段のプレーは見せられなかった。あと3、4本トライするチャンスはあった」と厳しい。8強入りには、同組のニュージーランドと南アフリカのどちらかを倒すことが必要になる。【益子浩一】