南北海道は札幌山の手が2年連続18度目の優勝を果たした。8年連続決勝対決となった函館ラサールを19-0で下した。

OBの日本代表リーチ・マイケル主将(31)と同じニュージーランド出身のNO8ヴェア・タモエフォラウ(3年)を中心とした強力FW陣が、後半3トライを奪う原動力となり、宿敵を撃破した。

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日の丸を背負う先輩に吉報を届けた。札幌山の手フィフティーンはノーサイドの笛に抱き合って喜んだ。8年連続で決勝を戦い、昨年までの直近4年間は2勝2敗と五分だったライバル、函館ラサールを完全に封じ込めての連覇。原田季弥主将(3年)は「厳しい試合だったけど、勝ちきることができて良かった」と喜んだ。

勝利を引き寄せたのは“リーチ2世”タモエフォラウだ。後半4分に敵陣ゴール前のラックから先制トライ。「足は結構やばかったけど山の手のために頑張れた」。9月末の国体で右足を故障。今大会は1回戦、準決勝は出場できなかった。その間、W杯で日本代表主将のリーチが故障を抱えながら献身的なプレーで8強に貢献する姿を目に焼き付けてきた。母国の英雄の活躍を発奮材料に変えた。後半24分にも敵陣40メートル付近でボールを持つと3人を振り払って30メートルを独走。SH片江の2トライ目をお膳立てした。

8年連続の決勝同一カードで15年、17年と2度敗れた相手。この日も前半は相手の堅守に5つの反則などミスも重なり、苦しい展開だった。それでも後半は、平均体重91・5キロと相手を9・5キロ上回るFW陣が押し込む場面を増やし、好機を演出。佐藤幹夫監督(58)は「忍耐強く辛抱してくれた。これでマイケルにも良い報告ができる」と目尻を下げた。

日本代表が4強を目指す20日南アフリカ戦前日に、後輩たちは最高の結果を残した。佐藤監督は試合会場に駆けつけ、選手たちは札幌ドームのパブリックビューイング会場で試合前に「ビクトリーロード」を披露する。そして、W杯の熱狂を過ぎれば、18度目の花園が待つ。「全国で勝つためにはもっともっとONE TEAMになっていかないと」と佐藤監督。過去10度はね返された2回戦の壁へ、タモエフォラウは「シード校を倒します」と宣言した。【浅水友輝】

▽2トライを挙げた札幌山の手SH片江凛(3年) ヴェアが相手を引きつけたおかげです。今日は雨でテンポが崩れた。花園ではもっと良いパスをしたい。

▼南大会の決勝カードは12年から8年連続で、札幌山の手が6勝2敗(○○○●○●○○)となった。最多点差は札幌山の手が勝った13年72-3の69点差で、最少は函館ラサールが勝った17年26-21の5点差。今年の札幌山の手19得点は勝利チームの最少で、函館ラサールの無得点は8年間で初となる。

◆昨年の北海道勢花園成績 札幌山の手は1回戦27-19熊本西(熊本)で5大会ぶりに初戦を突破も、2回戦17-48中部大春日丘(愛知)で2回戦10連敗となった。39大会ぶり出場の旭川龍谷は、玉島(岡山)との1回戦で先制トライを奪うも5-26で敗退