【トゥールーズ(フランス)=松本航】4大会ぶり2度目出場のポルトガル(世界ランク16位)が“19度目の正直”での、歴史的なW杯初勝利を逃した。

過去3分け15敗のジョージア(同13位)と激闘を繰り広げ、最後は引き分けた。

運命のゴールキックは左に外れた。

18-18に追い付かれて迎えた、後半のラスト1プレー。相手陣22メートルライン付近でペナルティーを獲得すると、選んだのはショットだった。タッチラインに近い右からFBゲデスが狙いを定め、右足を振り抜いた。

決まれば、歴史的なW杯初勝利-。

惜しくも外れると、フランカーのマルティンスがゲデスを抱き締めた。最後まで勝利を信じ、重圧と向き合った仲間をねぎらった。

2点を追う後半17分、味方のオフロードパスを受けたWTBストルティがインゴールまで走りきると、逆転トライに会場が熱狂した。初出場した07年フランス大会は王国ニュージーランドに13-108で大敗するなど、1次リーグ4連敗。今大会は初戦でウェールズ(同7位)に8-28と食い下がり、迎えた一戦だった。

会場では試合前からポルトガルサポーターの歌声が響き、自陣での防御が続いた前半も背中を押した。5点リードの後半38分、相手が13人入ったモールを押し込まれ、TMO(ビデオ判定)の末に同点トライが認められた。

最終盤、白星がはっきりと見えるところまで至ったが、つかみきれなかった。確かな自信を胸に10月1日(日本時間2日)、サンテティエンヌで強豪のオーストラリア(同9位)に挑む。