前回VのB組2位南アフリカ(世界ランク1位)が、史上最多4度目の優勝に王手をかけた。

準決勝で、D組1位のイングランド(同5位)を残り2分で逆転。19年の日本大会決勝カードを制し、2大会連続で頂点を決する舞台に進んだ。28日(日本時間29日)に、同じく優勝3回を誇るA組2位のニュージーランド(NZ、同2位)と激突する。

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残り2分で13-15。南アフリカは、リードを許していた。会場の雰囲気も、ラグビーの母国一色だった。その空気を、SOポラードが一蹴した。49メートルのペナルティーゴール(PG)を成功。「大きい瞬間だが、この舞台に立つ選手として臨んでいる。SOとして、こういう瞬間のために生きているようなもの」。前回大会の得点王が、16-15とした。そして迎えたノーサイドの笛。試合を通して降りしきっていた雨は、気付けば歓喜のシャワーに変わっていた。

前半は6-12で折り返した。相手のパントキック主体の攻撃に、我慢の時間が続いた。ただ、一貫してスクラムは負けなかった。相手ボールの7本中4本を自軍ボールとするなど、重圧をかけ続けた。逆転のPGも、後半29分に挙げたこの試合両軍唯一のトライも、スクラムから相手の反則を誘発し、奪った。ジャック・ニーナバー・ヘッドコーチは「スクラムで相手に勝つ必要があった。スクラムで勝った瞬間は素晴らしかったし、我々はこういう瞬間のためにラグビーをやっている」と耐え忍び、最後にまくった。

これで、2大会連続4度目の決勝進出。相手は同じ3度の優勝を誇るNZ。95年南ア大会決勝以来、頂点をかけて激突する。同ヘッドコーチは「ニュージーランドもイングランドと同じような戦術でくるかもしれないが、選手たちはいつも自分たちで勝つための手段を見つけてくれる」と絶大な信頼を置く。約2カ月に及ぶW杯。南アが、最後に笑う。