日本相撲協会は10日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、一般人への暴行問題の責任を取って引退した元横綱朝青龍関に特別功労金を支給することを決めた。相撲協会は個人情報保護を理由に金額を公表しなかったが、協会関係者によると、1億2000万円とみられる。

 このほか、元朝青龍関には一般の退職金にあたる力士養老金と勤続加算金を合わせた約3700万円も支給される。理事会後に記者会見した八角広報部副部長(元横綱北勝海)は「額は決まったが、個人に対するお金なので発表しません」と話した。

 特別功労金は定年退職した親方や引退した横綱、大関に支給される。力士に対しては現役時代の実績が考慮され、これまでの最高額は元横綱貴乃花関(現貴乃花親方)の1億3000万円。最近の元横綱では曙関に1億円、3代目若乃花関に7000万円、武蔵丸関(現振分親方)に9000万円を支給しており、1987年に失踪(しっそう)して廃業した元横綱双羽黒関には支給しなかった。

 相撲協会では2004年九州場所限りで引退し、3200万円を支給した元大関武双山関(現藤島親方)を最後に金額を公表していない。