早大・斎藤佑樹投手(2年=早実)が11日、生まれ故郷の群馬・太田市で成人式に出席した。二十歳の誓いには早実の校歌にも使われる「去華就実」を挙げ、地元で原点回帰を誓った。紋付きはかまではなく、両親からプレゼントされた新調の黒のスーツ姿で登場した。お酒は飲んでもたばこはやりません。愛する地元で心機一転、今年の東京6大学で春秋連続優勝を誓った。

 斎藤の登場に群馬・太田市が沸いた。約300人の新成人が参加した式典開始前、会場入り口をカラフルな紋付きはかま姿の若者や改造車が占めた。それぞれが斎藤にとっては懐かしかった。大学で見せるものとはひと味違う笑顔が広がった。「久しぶりに会えた人もいて楽しかったです。(やんちゃな友達も)嫌いじゃないです」と笑った。会見後には乱入者もいたが、斎藤と握手を交わすと笑顔で去っていった。

 二十歳の誓いには「去華就実」の4字熟語を挙げた。華やかな外見よりも中身で勝負。文武両道を、1歩ずつ。高校時代から愛着のある言葉を、節目の日に色紙に記した。

 昨年6月6日に20歳の誕生日を迎えた。「お酒は飲みますけど、たばこは吸いません」と、スポーツマンらしく禁煙宣言。「今までの20年間は準備期間。野球もプライベートも思い切ったことをやっていきたい」と誓った。

 愛する地元に将来的には恩返しする意向を持つ。すでに初めて買う車は地元企業富士重工のスバル車と決めている。「何でもしたいです。野球教室は自分も参加したことがありますし」と将来的には“斎藤先生”になって子どもたちを指導するプランを持つ。住民票は太田市のまま。「まずは税金を納めることですかね」と着実に貢献していく。

 「20歳になるとテレビとかでも少年Aから斎藤佑樹に変わる。自分の行動には責任を持ちたいです」。これまで同様冷静沈着に。斎藤らしい「大人」を目指していく。【前田祐輔】