社会人野球、JR東日本東北(仙台市)の最速146キロ右腕・森内寿春(24=青森大)が、新エース候補に名乗りを上げた。07年ドラフトの平野将光(25=西武)、昨季の摂津正(26=ソフトバンク)と2年連続で主戦格がプロ入りする中、投手陣の立て直しが3年ぶりの都市対抗野球出場のカギを握る。社会人3年目。昨夏、TDK(秋田・にかほ市)の補強選手で東京ドームに登板した森内は「今年こそ自分のチームで」と意気込みを示した。

 JR東日本東北の森内が“ポスト摂津”に挑む。元アマ野球日本代表で、チームを8年間支えた摂津がソフトバンク入り。今季、大卒ルーキー2人を含む8投手で全国制覇を目指す阿部圭二監督(53)は「今年のテーマはピッチャー中心の守りのチーム。(先発陣は)オープン戦や地方大会を使いながら決めたい。最低3人は出てきてほしい」と期待する。

 チームは5日から再始動。ほかの投手陣が例年より早めに立ち投げをこなす中、森内はマイペースで体つくりを行っている。「摂津さんが抜けたからと言われたくない。じっくりと体をつくって都市対抗で連投できる体力をつけたい」と照準を合わせている。

 エースを務めた青森大当時からプロ志望。摂津のプロ入りを大きな刺激にしている。入社1年目の07年に社会人選手権(京セラドーム)4強を経験。昨夏は補強選手として大学選手権以来の東京ドームのマウンドを踏み、「全国でも通用するんだ」という確信を得た。現チームの投手で東京ドーム登板は森内だけ。投球の幅を広げるために新球取得にも取り組んでいる。将来、プロ入りを夢見る森内は「摂津さんからは野球に対する取り組み方を学びました。(都市対抗には)自分が連れて行くしかない」とエースの自覚を芽生えさせた。【佐々木雄高】