<全日本大学野球選手権:法大5-2関西国際大>◇5日目◇13日◇準決勝◇神宮

 法大(東京6大学)が14年ぶり8度目の日本一に王手をかけた。準々決勝から3番に入る多木裕史遊撃手(1年=坂出)が4打数4安打3打点の大暴れ。不振だった4番・松本雅俊二塁手(4年=関西)も初安打して関西国際大に打ち勝った。

 法大を14年ぶりの決勝戦に導いたのは、1年生多木のバットだった。振れば安打になる。速球にも変化球にも対応できる。1、3、5回に3打点。7回には詰まりながら左前に落として松本雅の2点適時打を導いた。「多木が打つんで、4年生も頑張らないと」。リーグ戦で首位打者に輝いた松本雅が、12打席目に出た初安打をこう話した。

 今大会11打数8安打、打率は7割2分7厘になる。多木は「シンに当てるのは自信がある。バットが軽くなったんで」と説明した。高校でも練習では木製バットを使った。900グラムを超えた金属から890グラムの木製に変わり、逆にコントロールしやすいという。「シンに当てれば変わらないですから」といってのけた。

 一方で課題もある。今大会4失策。この日も悪送球したが、記録は安打になった。「自分はふつうに投げてるつもりなんですが」。前日、金光興二監督(53)から「打つことに専念しろ」とゲキを飛ばされた。坂出高監督の父孝雄さん(49)からも「思い切りやれ」と激励されたばかりだった。

 残すは決勝戦。「二神さんも粘ってくれたんで、日本一に向け頑張りたい」。東京6大学でいきなりベストナインとなったルーキーは、一気に全日本も制するつもりだ。【米谷輝昭】