<都市対抗野球・神奈川第3代表決定戦:日産自動車4-2東芝>◇15日◇横浜スタジアム

 今季限りで休部する日産自動車が、ラストイヤーの都市対抗出場を決めた。東芝を破り2年連続29度目の出場を勝ち取った。入社2年目のドラフト候補、熊代聖人内野手(20=今治西)が2回、先制適時三塁打を放つなど2安打の活躍。先発の石田祐介投手(26=東京国際大)は9奪三振で完投した。東芝は関東代表決定戦に回る。本大会は8月21日から12日間、東京ドームで開催される。

 熊代は狙った直球を右中間にはじき返した。2回2死二塁、フルカウントから145キロを逆方向に運ぶ。代表決定戦で敗れ、重苦しい雰囲気が漂うチームを先制打で救った。前日の第2代表決定戦では左翼スタンドに2ランを放った。「ホームランの次の日は引っ張り気味になる。練習から右方向を意識した」と狙い通りの一打だ。今治西では「4番投手」として活躍し甲子園に春夏3度出場。07年夏は8強に勝ち上がった。入社後に打者転向し、1年目から3番を任された。

 本来は高卒3年目がドラフト解禁年だが、所属先の休廃部に対する特例で2年目の今秋からプロ入りが可能になる。熊代は「進路のことはまだ全然相談してないけど、自分の中では上(プロ)に挑戦したい気持ちがある」と言う。オリックス中川スカウトは「若いし右打ちの内野手。体の力がある」と熱視線を送った。

 第1代表決定戦は三菱重工横浜と延長16回引き分け再試合、2日間26回8時間30分の激戦の末に敗れた。熊代は「こういう時こそ若さです」と笑った。久保恭久監督(48)は「最後になるであろう神奈川予選を、ズタズタ、ボロボロになりながら乗り切った」と充実感を漂わせた。