<アジア野球選手権>◇3日◇決勝リーグ◇札幌市円山球場

 日本が7-1で韓国を破り、3戦全勝で史上初の4連覇、通算17度目の優勝を飾った。今秋ドラフトで巨人が1位指名する方針のホンダ・長野久義外野手(24=日大)が7回2死一、三塁からダメ押しの2点適時二塁打を放った。先発の中大・沢村拓一投手(3年=佐野日大)が8回2安打1失点と好投。NTT東日本・清田育宏外野手(23=東洋大)が最優秀選手と首位打者の2冠に輝いた。2位以下は台湾、韓国、中国となった。

 長野のバットがようやく火を噴いた。7回2死一、三塁、代わったばかりの韓国・金載祐の初球をフルスイング。左翼フェンス直撃の一打で2者がかえり、4連覇を確実にした。

 これが3試合で3本目の安打。「いつも通り」と話すが、結果は出ていなかった。1次予選は3試合で11打数7安打2本塁打と爆発。長野の名前はアジア各国に知れ渡り、韓国も当然警戒。長野の打席で2度投手交代をしてきた。「みんな初めてのピッチャーなんで関係ない」と積極的に打ちに出た。

 視察した巨人長谷川スカウトは「最初のストライクは全部振っていく姿勢がある」と見守った。今大会は亜大・東浜ら大学生との混成。「楽しかったです。かわいい後輩って感じでした」とアニキ分として引っ張った。来月21日に都市対抗が開幕し、9月はヨーロッパでのW杯に出場する。ドラフトよりチーム優先と繰り返す長野の社会人ラストイヤーは、これから本格化する。【前田祐輔】