慶大が延長12回の末、1年生の渡辺憩捕手(1年=慶応)の大学初打席の代打サヨナラ本塁打で試合を決めた。「何が起きたかわからないんですが最高の気分です」と笑顔を見せた。

1年生のひと振りで試合を決めた。1-1で迎えた延長12回裏、。1死。代打で打席に向かった渡辺は、「1年生でベンチ入りさせてもらっているので、思い切ったスイングをしよう。真っすぐをたたいてやろうと思っていました」と、狙い通り、3-1からの高めの135キロ直球をフルスイング。打った瞬間それとわかる当たりは、レフトスタンドへまっしぐら。法大レフトも足を止めて打球を見送った。

渡辺は昨夏、全国高校野球選手権で107年ぶりの日本一を達成した慶応Vメンバー。「僕たちが1年生ながらこうやって活躍することでチームも強くなっていける。フレッシュな気持ちで頑張ろうと思います」。祝日で、スタンドには大勢の観客が見守った。あらためてスタンドを見渡すと、「スゴイことをしたんだなという気持ちです」と笑顔で頭を下げた。

▼代打でリーグ戦初打席の慶大・渡辺憩がサヨナラ本塁打。東京6大学リーグで1年生の初打席本塁打は、22年の明大・瀬千皓(せ・ちひろ)以来8人目(春5人、秋3人)。このうちサヨナラ弾は史上初めて。1年生以外で初打席のサヨナラ本塁打は79年春に明大・城石淳(3年)が法大戦で放っている。