<東都大学野球:東洋大3-1中大>◇第5週2日目◇5日◇神宮

 東洋大の左腕・藤岡貴裕投手(3年=桐生一)が中大を1点に抑えて雪辱、勝負を3回戦に持ち込んだ。リーグ記録が残る1950年以降で初となる4試合連続完封こそ逃したものの、4連続完投で今季4連勝を飾った。4安打、8奪三振で126球を投げ抜いた。

 あと1イニングだった。9回1死二、三塁。東洋大・藤岡がここを切り抜ければ、4試合連続完封のはずだった。6番打者の打球はゴロで三遊間へ。三塁手が好捕したが、一塁に送球して生還を許してしまった。「(記録に)挑戦したかった。でも勝てたんで」。藤岡は勝利を喜びながら、悔しさもにじませた。

 連続無失点は39イニングで止まり、松沼雅之(東洋大)の持つリーグ記録56回2/3への挑戦権も失った。それでも4連続完投で、連敗を阻止した。「走者を出してから強気で行った。死球でもいいと」。最速148キロで死球は3つ。4回無死二塁で4番井上晴哉(3年=崇徳)を迎えたときには速球を5球続け、143キロで三振に仕留めた。

 ネット裏スカウトは「来年の目玉選手」(阪神菊地東日本統括)と高く評価する。そんな3年生は「また(記録を)狙いたいが、まずは勝ちにこだわりたい」と、2季ぶりとなる優勝に目を向けた。