<東都大学野球:東洋大7-2国士舘大>◇第7週初日◇18日◇神宮

 東洋大が国士舘大に先勝し、2季ぶり優勝に王手をかけた。今春初の1回戦先発に挑んだ藤岡貴裕投手(3年=桐生一)が、8回4奪三振1失点。打撃陣は11安打で強力援護した。19日の2回戦に勝利すれば、2季ぶり15度目の優勝が決定する。

 埼玉・川越市の東洋大寮の玄関前に、今春石碑が建った。昨春まで戦後初の5季連続優勝を達成したことで、偉業にかかわった全選手の名前が記されている。藤岡らナインはバスに乗り込む前、石碑に一礼した。前週、中大が亜大に勝ち点を落としたことで、自力優勝のチャンスが復活した。2季ぶりVヘ、身を清めての出発だった。

 今春初の1回戦先発に挑んだ藤岡が、そのチャンスを逃さない。「前半は真っすぐが良くなかったけど、後半は指に掛かるようになった」と調子を上げた。4回1死一、二塁のピンチは高めへの147キロ直球で空振り三振に切った。来秋ドラフトの目玉候補は「5連覇の時は自分は活躍できなかった。優勝にかける思いはでかい」と言う。8回1失点で大役を全うした。

 優勝には連勝が条件。2勝1敗なら、亜大が最終週に連勝した場合、勝率で追い付かない。19日の2回戦はドラフト候補左腕、乾真大(4年=東洋大姫路)が先発する。高橋昭雄監督(61)は「乾がどれだけ投げられるか。4年生2人か、3人で3イニングずつですかね」。ドラフト候補右腕の鹿沼圭佑主将(4年=桐生一)、さらに藤岡も連投に備え、チャンスをつかみにいく。【前田祐輔】