「アマ球界の名将」竹田利秋・国学院大野球部監督(69)が、秋季リーグ戦を直前にして勇退することが5日、明らかになった。チームが東都リーグ1部に定着する今が、後進に円滑にバトンを渡せる時期と判断した。秋のリーグ戦は人選中の後任監督に託される。

 竹田氏は96年の国学院大監督就任後「究極の目標」を掲げた。「大学選手権で優勝し、日本一となり日本代表メンバーに選ばれ、また人間的に尊敬され、老若男女を問わず多くの人々から愛されるチームをつくる」-。その方針がチームに徐々に浸透し、08年に2部秋季リーグを制して1部昇格以降は、1部で優勝争いに参戦するレベルに到達。日本代表にも選手を送り込むまでになった。

 東北監督時代から、厳しい指導に定評があった。練習中ミスを目にすると、観客や記者も身をすくめるほどの怒声一発。練習をその場でストップさせ「なぜミスが起きたか?」「どうすれば防げたか?」、全員で意見を交わさせた。結論が出ないとそのまま練習を召し上げ徹底的に議論させた。

 半面、毎年正月に選手を自宅に招待して「新年クイズ大会」を実施したり、クラシックコンサートに連れていくなど、硬軟織り交ぜチーム強化につながることなら何でも採り入れた。

 42年間に及ぶ監督生活では、高校で佐々木主浩(元マリナーズ)大越基(元ダイエー)大学で渡辺俊介(ロッテ)嶋基宏(楽天)ら、多くのプロ選手を育て上げた。同氏の今後については未定ながら、指導への情熱はなおも意気盛んで、築いた功績と存在感の大きさからも、アマ球界から引き続き熱い視線を注がれることが予想される。