<東都大学野球:東洋大2-0国士舘大>◇第1週初日◇4日◇神宮

 来秋ドラフトの目玉左腕、東洋大・藤岡貴裕投手(3年=桐生一)が、延長11回13奪三振完封で開幕戦勝利を飾った。自己最速を1キロ更新する150キロをマーク。国士舘大打線を3安打に抑えて、2季連続の日本一へ好スタートを切った。

 炎天下の9回、藤岡が燃えた。すでに球数は100球を超えていたが、先頭打者を遊撃手林崎の失策で出すと「あそこは三振を狙った」と集中。先輩のミスをカバーするために、決め球はすべて直球で3者連続空振り三振に切った。2回には自己最速の150キロをマーク。9回、10回にも149キロを出して、強靱(きょうじん)なスタミナで150球を投げ抜いた。

 今夏は大学日本代表の先発を任された。キューバ戦では規格外のパワーで2本塁打を浴びた。「少しでも甘く入ったら打たれる」と経験を力にする。勝利投手になった3位決定戦翌日、代表チームが解散すると、その足で東京駅に向かい茨城・神栖合宿に参加した。

 ひたむきに走り込んで開幕を迎えた。高橋昭雄監督(62)は「藤岡がよく耐えた。それに尽きる。暑いだろうね~」と称賛。代表合宿中はおいしい食事で体重が2・5キロ増えたというが、気温35度の試合後は、さすがにほおもげっそりだった。【前田祐輔】