早大・斎藤佑樹投手(4年=早実)の大学ラストシーズンとなる東京6大学野球秋季リーグ戦が11日、開幕する。強豪法大と対戦する早大は10日、東京・東伏見の同大グラウンドで約2時間の最終調整を行った。斎藤が開幕投手を務めれば8季中7度目で、過去5勝0敗と相性は抜群だ。今夏は2キロのプチ増量に成功。4季ぶりの優勝を目指してブルペンで約60球の投球練習を行った。

 少し黒くなった斎藤の顔が精悍(せいかん)さを増していた。4年間の集大成となるシーズンで、将来につながる投球を思い描く。「次のステップに向けて、どういうピッチングができるか。自分でも期待する部分がある」。07年の早大入学後、チームは開幕戦7戦全勝。強豪法大との対戦だが「すごく楽しみ。ずっとやってきた成果が出せる」と心待ちにした。

 酷暑の夏。第100代主将として背中で引っ張ってきた。「つらい表情を見せないように、暑い時も一生懸命やる姿を見せてきた」と先頭に立った。体重は75キロから2キロ増の77キロにビルドアップ。夏に負けない旺盛な食欲で、増量した。

 最速155キロ右腕のクローザー、大石達也投手(4年=福岡大大濠)、福井優也投手(4年=済美)と同一大学から3人がドラフト1位指名を受ければ史上初の快挙になる。先発2本柱の福井とは「2人で5勝ずつ」と誓い合った。大石につなぐまで、序盤から全力で飛ばす。

 1位指名を公言するロッテは永野チーフスカウト、新里スカウトが前日練習に足を運んだ。斎藤はブルペンで時折打者を立たせて、約60球を投げた。「今はフォームのバランスがすごくいい。やることはやってきた」と自信は揺るぎない。

 今春の法大戦では大学初本塁打を放った。「勝てなかったり、いろいろ悩んだ時期もあったけど、最後まで先発ピッチャーとしてできる」と幸せを感じている。大学野球はあと2カ月。豪快な1発か完封劇か。斎藤の秋が幕を開ける。【前田祐輔】