<神宮大会:東海大1-0九産大>◇4日目◇16日◇大学の部準決勝◇神宮

 最後は150キロの剛速球で決めた。1点リードの8回から登板した、東海大・菅野智之投手(3年=東海大相模)の23球目。九産大最後の打者の打球は、左翼手のミットにすっぽり収まった。斎藤らドラフト1位投手を3人擁する早大との、頂上決戦に進出。日本一を決めるのにふさわしい、最高の舞台を整えた。

 「力でねじ伏せようと思いました。この投手から点は取れないぞと思わせたくて」。気の抜けない点差で、前日の打ち取る投球からギアチェンジ。8回の3者連続など、打者6人を無安打4奪三振にさばいた。4球が150キロを記録した。

 直前に行われていた早大の試合は、球場の室内練習場でテレビ観戦。先発していた斎藤には、同じエースとして特別な思いがある。「マウンドに立つ姿、背中でチームを引っ張る姿を見て、そういう投手になりたいと思いました」。大学入学時から勝負してみたかったという、尊敬する先輩。今夏の世界大学選手権では日本代表のチームメートになった。でも、練習では少し話すだけだった。

 斎藤と投げ合ったのは、2年春のオープン戦のみ。その時は完投勝ちしたが、大学公式戦での対戦は今回が最初で最後となる。「ブランドは早稲田の方があるかもしれない。でも、実力は違う。3年生だからといって、ドラフト1位の選手に負けるつもりは全くありません」。横井人輝監督(48)は「明日は彼しかいないでしょう」と、先発起用を明言。3連投になるが、日本一の座を奪いにいく。【鎌田良美】