仙台6大学野球の仙台大にシング・アンドリュー外野手(明徳義塾)ら個性派ぞろいの新1年生5人が入寮し、2日からチーム練習に合流した。今春は甲子園経験者5人を含む計24人が入学予定で、昨秋から主力4年生8人(3投手含む)が抜けたチーム内で、激しいレギュラー争いに参戦する。チームの第1目標は61季ぶり3度目のリーグ制覇と初の全国出場だ。3月に熊本キャンプも控える新1年生たちは「歴史を変えろ~妥協なき挑戦~」のチームスローガンの下で、神宮を目指す。

 ◆シング・アンドリュー外野手(高知・明徳義塾)

 フィジー生まれの東京育ちで、中学3年春に明徳義塾中に転校。明徳義塾3年の昨夏は、4番打者として甲子園に出場し、2試合で計7打数3安打1打点をマーク。178センチ、78キロの体格を生かして高校通算17本塁打。遠投110メートルの強肩と、50メートル走6秒1の快足も光る。「まずリーグ優勝して日本一になりたい。将来はプロになってアフリカ難民の子どもたちを助けたい」と世界に視野を広げる。

 ◆野口亮太投手(群馬・前橋商)

 身長163センチの技巧派左腕。09年春と10年夏に甲子園出場。昨夏1回戦では、宇和島東(愛媛)に3安打9奪三振で完封勝ちした。同じ左腕で167センチと小柄なヤクルト石川にあこがれる。最速133キロだが、多彩な変化球に加え、けん制の評価も高い。「小さいのは関係ないと思う。(将来は)できるなら上でやりたい。大学で通用する体を作って、もっと制球力とスピードを上げたい」と闘志を燃やす。

 ◆原光輝投手(栃木・作新学院)

 黒磯中3年時に、日本選抜でボーイズリーグ世界大会(メキシコ)優勝の実績を持つ。身長166センチと小柄だが、将来は「左の野口、右の原」の“小さな両腕コンビ”の期待を担う。1年冬に右足首を骨折、2年春夏を棒に振った苦い経験も持つ。最速130キロ後半の原は「甲子園にいけなかったことで、逆に支えてくれた人たちや仲間の大切さを知ることができました。(球速)140~145キロを目指して、神宮にいきたい」と力を込めた。

 ◆渡辺優佑内野手(東京・帝京)

 高校の先輩で、今春卒業する雨森達也と矢島健吾と入れ替わりで入学する。身長180センチの恵まれた体格。昨春はセンバツに出場。同じく帝京で準レギュラーだった矢島は昨秋まで4番で活躍し、社会人野球・NTT東日本入社を決めた。1年上の先輩だった阪神原口からは木製バットをプレゼントされた。「もったいなくて使えません。安物(バット)で芯で打つ練習をしています。目標は矢島さんです」と意欲を見せる。

 ◆奈良崎匡伸内野手(山形中央)

 東北で野球を続けるため、推薦入学を決めた。2年秋から主将としてチームをけん引。昨春のセンバツでは21世紀枠でチーム初の甲子園を経験。昨夏も2季連続で甲子園出場を決めた。昨春センバツで大敗を喫した日大三(東京)戦で、野球に対する取り組み方と思い切りの良い打撃力を学んだ。「大学でも全国初出場します。バッティングを上げて、1年生からレギュラーを取りに行く」と意気込む。