阪神対巨人 巨人戦に先発し、好投した西(撮影・前田充)
阪神対巨人 巨人戦に先発し、好投した西(撮影・前田充)

阪神先発の西勇輝投手が巨人とのオープン戦(甲子園)で3回1安打無失点と好投した。日刊スポーツ評論家の梨田昌孝氏が、西の投球術について語った。

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オープン戦とはいえ負けすぎはいただけない。それでも先発した阪神西の投球だけはさすがだった。制球のついたボールの出し入れ、駆け引きなど、完璧なピッチングだった。

3イニングで対した9人の打者のうち、唯一出塁を許したのが3回。先頭陽岱鋼に中前打、続く石川をフォークで空振り三振。1死一塁から炭谷を、まんまと二ゴロ併殺に仕留めた。

炭谷にすれば、昨季までパ・リーグで対戦した西の投球スタイルはインプットされていたはずだ。シュートでゲッツー狙いでくると読んだところを、初球スライダーを投じられた。

炭谷の読みは外れ、一瞬、腰を引くような形で二ゴロ併殺に倒れた。これが本番なら、巨人ベンチはエンドランなどの策を講じていただろうが、このシーンに冠しては、西の「勝ち」だった。

このまま西の調整が順調にいけば、シーズン15勝は稼げるとみている。ただそれは、打線の援護があってのことという条件付き。ゲームを作る能力はあるわけで、早めの1点が西を貴重な勝利に導く。(日刊スポーツ評論家)

阪神対巨人 試合前練習で矢野監督(右)と話し込む梨田氏(撮影・前田充)
阪神対巨人 試合前練習で矢野監督(右)と話し込む梨田氏(撮影・前田充)