プロ野球を普段取材していると、春と夏にテレビで見る高校野球がとても新鮮に映る。プロの高いレベルには仕事を忘れて魅了されることがあるが、高校球児のひたむきな姿にも胸を打たれる。野球の楽しさを知らせてくれる。

 そんな思いで夏の甲子園を見ていると、昨年までオリックスに在籍した原拓也さん(33)と話す機会があった。テレビのゲスト解説で京セラドーム大阪を訪問していた。現在、東大阪市内の野球塾「ブリスフィールド東大阪スポーツアカデミー・ベースボールスクール」で子供たちに野球を教える仕事をしている。

 「まず楽しんでもらうことが一番。大人と違って、頭では分かっているけど体で表現できなかったりするんです。そんな悔しい思いをしている子供たちに、なるべく分かりやすく野球を教えてあげたいです」

 原さんは同スクールで内野担当コーチを務めている。平下晃司さん、山崎慎太郎さん、浅井良さんといった投打の元プロの講師陣と一緒にきめ細かく指導。将来的に甲子園やプロを目指す子供たちの目は輝いている。純粋な心に触れ、あらためて野球の楽しさを感じることも多いという。【オリックス担当=大池和幸】